ランサムウェア感染時の対応と予防策|PCを守るセキュリティ設定ガイド

ランサムウェア感染時の対応と予防策

PCを守るセキュリティ設定ガイド【2025年最新版】

2025年最新脅威情報

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威2025」で、ランサムウェア被害が10年連続1位。VPNやRDP経由の攻撃が約8割を占め、データ暗号化と盗取・公開による二重脅迫が主流となっています。

1. ランサムウェアとは?感染経路と兆候

ランサムウェアの基本概念

ランサムウェアとは、PCのファイルを勝手に暗号化し、元に戻すために身代金(ransom)を要求する悪意のあるプログラムです。2025年現在、以下の特徴があります:

  • 二重脅迫型:データ暗号化+盗取したデータの公開脅迫
  • 高度化:企業ネットワーク全体への拡散能力
  • 標的型攻撃:特定の組織を狙った計画的な攻撃
  • 復旧困難:暗号化の解除が技術的に困難

主要な感染経路(2025年版)

感染経路割合具体例対策の重要度
VPN機器の脆弱性約50%古いVPNソフトの未更新による侵入★★★
RDP(リモートデスクトップ)約30%弱いパスワードによる不正ログイン★★★
メール添付ファイル約15%偽装された請求書・履歴書等★★☆
Webサイト経由約5%改ざんされたサイトからのダウンロード★★☆

感染の兆候をチェック

以下の症状が現れた場合、ランサムウェア感染の可能性があります:

  • ファイル名に不明な拡張子が追加される(.encrypted、.lockedなど)
  • デスクトップに身代金要求の画面が表示される
  • ファイルが開けない・正常に表示されない
  • PCの動作が異常に重くなる
  • ファイル名が意味不明な文字列に変更される

2. 【緊急対応】感染を疑った時にすぐやるべきこと

⚡ 感染時の緊急対応フロー

1
即座にネットワークを切断
LANケーブルを抜く、またはWi-Fiを無効化。他のPCへの感染拡大を防ぎます。
2
電源は切らない
シャットダウンや再起動は禁止。メモリ上の重要な痕跡が失われる可能性があります。
3
感染状況を記録
表示された身代金要求画面をスマートフォンで撮影。ランサムウェアの種類特定に重要です。
4
専門機関への相談
警察庁サイバー犯罪相談窓口(#9110)またはIPAに連絡し、対応方針を相談します。
5
身代金は支払わない
支払っても復旧の保証はなく、犯罪組織への資金提供となります。

重要:なぜ電源を切ってはいけないのか

ランサムウェアの種類によっては、メモリ上に復号キーの手がかりが残っている場合があります。また、フォレンジック調査で犯人特定につながる証拠が失われる可能性があるため、電源は入れたままにしておくことが重要です。

3. Windows Defenderで予防設定を徹底する方法

Windows 11/10に標準搭載されているWindows Defenderには、ランサムウェア対策として非常に効果的な機能が搭載されています。特に「コントロールされたフォルダーアクセス」は必須の設定です。

🛡️ Windows Defender最強設定手順

ステップ1:Windowsセキュリティを開く

①「スタート」ボタンをクリック
②「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」を選択
③または、検索バーで「Windowsセキュリティ」と入力

ステップ2:ウイルスと脅威の防止設定

①「ウイルスと脅威の防止」をクリック
②「リアルタイム保護」が「オン」になっていることを確認
③「クラウド提供型保護」を「オン」に設定
④「自動サンプル送信」を「オン」に設定

ステップ3:ランサムウェア防止機能を有効化

①「ランサムウェア防止の管理」をクリック
②「コントロールされたフォルダーアクセス」を「オン」に設定
③「保護されたフォルダー」で重要なフォルダを追加
④必要に応じて「許可されたアプリ」を設定

ステップ4:詳細設定の最適化

①「Microsoft Defenderウイルス対策のオプション」をクリック
②「定期的なスキャン」を「オン」に設定
③「潜在的に不要なアプリのブロック」を「オン」に設定

コントロールされたフォルダーアクセスとは

この機能は、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャなどの重要なフォルダを保護し、許可されたアプリ以外からの書き込みをブロックします。ランサムウェアによるファイル暗号化を効果的に防ぐ最強の機能です。

推奨保護フォルダの設定

以下のフォルダを「保護されたフォルダー」に追加することを強く推奨します:

  • C:\Users\[ユーザー名]\Documents
  • C:\Users\[ユーザー名]\Pictures
  • C:\Users\[ユーザー名]\Videos
  • C:\Users\[ユーザー名]\Desktop
  • 重要なデータが保存されている任意のフォルダ

4. データの復旧方法と予防策

ランサムウェア感染後の復旧方法

🔄 バックアップから復元

成功率:95%

事前にバックアップを取得していた場合の最も確実な方法。ただし、バックアップ自体が感染していないことを確認が必要。

🔧 復号ツールの使用

成功率:30%

No More RansomやEuropol等が提供する無料復号ツール。古い種類のランサムウェアに対して有効。

⏮️ システム復元

成功率:15%

Windowsのシステム復元機能を使用。感染前の復元ポイントが必要で、成功率は低い。

💰 身代金支払い

成功率:70%(非推奨)

犯罪者への資金提供となり、復旧保証もない。絶対に避けるべき選択肢。

効果的なバックアップ戦略

ランサムウェア対策として最も重要なのは、適切なバックアップ戦略の実装です。

3-2-1ルール

3つのコピーを作成し、2つの異なる媒体に保存し、1つはオフラインで保管する。これがバックアップの黄金法則です。

バックアップ方法メリットデメリット推奨度
外付けHDD(オフライン)コスト安、大容量、ランサムウェア耐性高手動運用、物理故障リスク★★★
クラウドストレージ自動バックアップ、場所を選ばない月額費用、通信速度依存★★★
NAS(ネットワークストレージ)自動化可能、高速アクセス初期コスト高、設定複雑★★☆
USB メモリ携帯性良好、低コスト容量小、故障率高★☆☆

推奨バックアップソフト

  • Windows標準機能:ファイル履歴、バックアップと復元
  • EaseUS Todo Backup:無料版でも高機能
  • AOMEI Backupper:システム全体のクローン作成可能
  • Acronis True Image:企業レベルの信頼性(有料)

5. よくある質問と最新の脅威動向

Q1. Windows Defenderだけで本当にランサムウェア対策は十分ですか?
A1. Windows Defenderは2025年現在、非常に高い性能を持ちますが、100%の保護は不可能です。多層防御(定期バックアップ、ソフトウェア更新、ユーザー教育)と組み合わせることで、実用的なレベルの保護を実現できます。企業環境では追加のセキュリティソフトも検討してください。
Q2. 身代金を支払えば本当にファイルは戻ってきますか?
A2. 統計的には約70%のケースで復号キーが提供されますが、絶対に支払うべきではありません。理由:①犯罪組織への資金提供となる ②復旧の保証がない ③再度標的にされるリスクが高まる ④バグによりデータが完全に失われる可能性がある
Q3. コントロールされたフォルダーアクセスを有効にすると、普段使うソフトが使えなくなりませんか?
A3. 初期設定では影響は最小限ですが、一部のソフトウェアで保護されたフォルダへの書き込みがブロックされる場合があります。その際は「許可されたアプリ」に該当ソフトを追加することで解決できます。セキュリティ上のメリットが大きいため、有効化を強く推奨します。
Q4. 感染したらどのくらいで復旧できますか?
A4. バックアップがある場合:数時間〜1日程度。バックアップがない場合:1週間〜数ヶ月、または完全復旧不可能。警察庁の調査では、73%の組織が復旧に1週間以上を要しており、事前のバックアップ戦略の重要性が浮き彫りになっています。
Q5. 最新のランサムウェアの特徴は何ですか?
A5. 2025年の主要トレンド:①二重脅迫(データ暗号化+盗取データの公開脅迫) ②供給者攻撃(サプライチェーンを狙った攻撃) ③AI活用(攻撃の自動化・最適化) ④ランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS:犯罪の組織化・分業化)

2025年注目すべき新たな脅威

AI活用型ランサムウェアの登場

2025年は、AIを活用した新世代ランサムウェアが登場。従来のパターンマッチング型検知を回避し、標的の行動パターンを学習して最適なタイミングで攻撃を仕掛ける高度な手法が確認されています。

まとめ:完全なランサムウェア対策のために

ランサムウェアは2025年現在、最も深刻なサイバー脅威の一つです。しかし、適切な予防設定と緊急時の対応手順を理解していれば、被害を最小限に抑えることができます。

今すぐ実行すべき対策チェックリスト

  • Windows Defenderの「コントロールされたフォルダーアクセス」を有効化
  • Windows Updateで最新状態を維持
  • 3-2-1ルールに基づくバックアップ戦略の実装
  • 不審なメール・リンクを開かない習慣づけ
  • 定期的なセキュリティ設定の見直し

ランサムウェア対策は「予防が9割」です。感染してからでは遅いため、今すぐこのガイドの設定を実行し、大切なデータを守りましょう。


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