MacとWindowsでファイルを共有する方法|Macを家庭内サーバーにする設定ガイド
- 公開日:2025/9/24
- 最終更新日:
- パソコン日記

MacとWindowsでファイルを共有する方法|Macを家庭内サーバーにする設定ガイド
MacとWindowsが混在する環境でのファイル共有は、業務効率と利便性を大幅に向上させます。この記事では、Mac側でSMB共有を設定し、Windows PCからアクセスする方法を詳しく解説します。さらに、Macを家庭内サーバーとして活用する応用方法まで、段階的にご紹介します。
MacとWindows間ファイル共有の基本知識
異なるオペレーティングシステム間でファイルを共有するためには、共通のネットワークプロトコルを使用する必要があります。現在最も広く使われているのはSMB(Server Message Block)プロトコルです。
- 互換性: Mac、Windows、Linux対応
- セキュリティ: 暗号化サポート
- パフォーマンス: 高速転送
- 推奨度: ★★★★★
- 互換性: Mac専用(レガシー)
- セキュリティ: 基本的な暗号化
- パフォーマンス: Mac間では高速
- 推奨度: ★★☆☆☆
- 互換性: 全OS対応
- セキュリティ: SFTP推奨
- パフォーマンス: 設定により変動
- 推奨度: ★★★☆☆
🏠 ネットワーク共有の構成
Mac(サーバー) ←→ ネットワーク(WiFi/有線) ←→ Windows PC(クライアント)
同一ネットワーク内のデバイス間でSMBプロトコルを使用してファイル共有を実現
【Mac側設定】共有フォルダの作成と設定
🍎 Mac側の前提条件
- macOS 10.12 Sierra以降(推奨:macOS 13 Ventura以降)
- 管理者権限アカウント
- ネットワークに接続済み
- ファイアウォール設定の確認
Step 1: システム環境設定でファイル共有を有効化
- 「システム環境設定」を開く
Appleメニュー → システム環境設定(macOS 13以降は「システム設定」)をクリック - 「共有」設定にアクセスシステム環境設定 → 共有左側のサービス一覧から「ファイル共有」にチェックを入れる
- 共有フォルダを追加
「共有フォルダ」欄の「+」ボタンをクリックし、共有したいフォルダを選択
新しいフォルダを作成する場合は、事前にFinderで作成しておく - SMBプロトコルを有効化
「オプション...」ボタンをクリック → 「SMBを使用してファイルやフォルダを共有」にチェック
共有するユーザーアカウントにもチェックを入れる
Step 2: ユーザーアクセス権限の設定
- ユーザーを追加
「ユーザ」欄の「+」ボタンをクリック → アクセスを許可するユーザーを選択 - アクセス権限を設定
各ユーザーの権限を以下から選択:- 読み出しのみ: ファイルの閲覧・コピーのみ可能
- 読み/書き: ファイルの編集・削除・追加が可能
- 書き込みのみ: ファイルの追加のみ可能(ドロップボックス用)
- ゲストアクセスの設定(オプション)
セキュリティを重視する場合は「ゲスト」のチェックを外す
簡単なアクセスを優先する場合は「ゲスト」にチェックを入れる
Step 3: ファイアウォール設定の確認
⚠️ セキュリティ設定の重要性
ファイル共有を有効にすると、ネットワーク上の他のデバイスからアクセス可能になります。適切なファイアウォール設定とユーザー認証の設定を行ってください。
- ファイアウォール設定を確認システム環境設定 → セキュリティとプライバシー → ファイアウォール
- ファイル共有を許可
「ファイアウォールオプション...」をクリック
「ファイル共有(SMB)」が許可されていることを確認 - ネットワーク接続を確認
ターミナルで以下コマンドを実行してIPアドレスを確認:ifconfig en0 | grep inet
【Windows側設定】Macの共有フォルダへのアクセス
🪟 Windows側の前提条件
- Windows 11/10(SMB 2.0以降対応)
- Macと同一ネットワーク内に接続
- ネットワーク検索の有効化
方法1: エクスプローラーから直接アクセス
- エクスプローラーを開く
Windowsキー + E または タスクバーのフォルダアイコンをクリック - ネットワークパスを入力
アドレスバーに以下の形式で入力:\\MacのIPアドレス\共有フォルダ名例:\\192.168.1.100\SharedFolder
- 認証情報を入力
Macのユーザー名とパスワードを入力
「資格情報を記憶する」にチェックを入れると次回から自動ログイン - ネットワークドライブとして割り当て(オプション)
右クリック → 「ネットワークドライブの割り当て」でドライブレターを割り当て可能
方法2: ネットワーク探索からアクセス
- ネットワーク探索を有効化設定 → ネットワークとインターネット → Wi-Fi → ネットワークプロファイル → プライベート
- エクスプローラーの「ネットワーク」を開く
左側のナビゲーションから「ネットワーク」をクリック - Macデバイスを選択
検出されたMacデバイス名をダブルクリック
※表示されない場合は、ネットワーク探索の設定を確認
【応用設定】MacからWindowsの共有フォルダへのアクセス
Windows側での共有設定
- Windowsで共有フォルダを作成
共有したいフォルダを右クリック → プロパティ → 共有タブ → 詳細な共有 - 共有設定を有効化
「このフォルダーを共有する」にチェック → アクセス許可を設定 - ネットワーク探索を有効化
コントロールパネル → ネットワークと共有センター → 共有の詳細設定の変更
Mac側からのアクセス方法
- Finderで「移動」メニューを使用
Finder → 移動 → サーバへ接続(Command + K) - Windows PCのアドレスを入力smb://WindowsのIPアドレス例:
smb://192.168.1.101
- 認証してアクセス
Windowsのユーザー名とパスワードを入力してログイン
セキュリティ設定とベストプラクティス
🔐 強固なパスワード
8文字以上の複雑なパスワードを設定し、定期的に変更する
👥 ユーザー権限管理
必要最小限の権限のみを付与し、ゲストアクセスは原則無効化
🛡️ ファイアウォール設定
信頼できるネットワークからのアクセスのみを許可
📊 アクセスログ監視
定期的にアクセスログを確認し、不審なアクセスがないかチェック
推奨セキュリティ設定
- SMB 3.0以降のプロトコルを使用(暗号化対応)
- VPN経由でのリモートアクセス設定
- 共有フォルダの定期的なバックアップ
- アンチウイルスソフトでの定期スキャン
- 不要な共有の定期的な見直しと削除
- アクセス権限の定期的な監査
トラブルシューティング
症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
---|---|---|
Macが見つからない | ・ネットワーク探索が無効 ・ファイアウォールでブロック ・異なるネットワークに接続 | ・ネットワーク探索を有効化 ・ファイアウォール設定を確認 ・同一ネットワークへの接続確認 |
認証に失敗する | ・ユーザー名/パスワードが間違い ・アクセス権限がない ・SMB設定が無効 | ・認証情報の再確認 ・Mac側でユーザー権限を再設定 ・SMBプロトコルの有効化確認 |
接続が不安定 | ・WiFi信号が弱い ・ネットワーク機器の不調 ・SMBバージョンの不一致 | ・有線接続への変更 ・ルーターの再起動 ・SMBバージョンの統一 |
ファイル転送が遅い | ・ネットワーク帯域の不足 ・大量の小ファイル ・ハードディスクの性能 | ・ファイルの圧縮転送 ・転送時間帯の調整 ・SSDへのアップグレード検討 |
詳細診断コマンド
Mac側での診断
Windows側での診断
【応用】Macを家庭内サーバーとして活用する方法
📁 中央集権的なファイル管理
家族や職場の全員が同じファイルにアクセスでき、バージョン管理も簡単になります。
💾 自動バックアップハブ
Mac miniやiMacを常時稼働させ、Time Machineや他のバックアップソリューションの中央ハブとして活用。
🎵 メディアサーバー機能
音楽、動画、写真などのメディアファイルを一元管理し、複数デバイスからストリーミング再生。
🖨️ プリンタ共有ハブ
USB接続のプリンタをネットワークプリンタとして家庭内の全デバイスで共有。
家庭内サーバー設定の詳細手順
- 専用ユーザーアカウントの作成
システム環境設定 → ユーザとグループ → 「+」→ 「共有のみ」アカウントを作成
家庭内サーバー専用のアカウントを作成することで、セキュリティを向上 - 複数共有フォルダの階層設計
以下のような構造で共有フォルダを作成:/Users/Shared/ ├── Documents/ (文書共有) ├── Media/ (音楽・動画) ├── Photos/ (写真共有) ├── Backup/ (バックアップ専用) └── DropBox/ (アップロード専用) - Time Machine共有の設定
外付けHDDをMacに接続 → 共有設定で「Time Machine経由でバックアップ」を有効化
家庭内の他のMacからネットワーク経由でTime Machineバックアップが可能 - Wake on LANの設定
システム環境設定 → 省エネルギー → 「ネットワークアクセスによってスリープ解除」を有効
必要時にリモートからMacを起動可能
運用上の注意点
⚠️ 24時間稼働時の注意事項
- 熱対策: 適切な換気と温度管理を実施
- 電力消費: 省エネ設定の最適化
- ハードディスク: 定期的なヘルスチェックと交換計画
- セキュリティ: 定期的なmacOSアップデートとセキュリティパッチ適用
関連設定とさらなる活用方法
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外部アクセスの設定(上級者向け)
⚠️ セキュリティリスクについて
外部からのアクセスを許可する場合は、VPNの使用を強く推奨します。直接インターネットに公開することは、セキュリティ上のリスクが非常に高くなります。
- VPNサーバーの構築
Mac上でVPNサーバーを構築、またはルーターのVPN機能を活用 - ダイナミックDNSの設定
固定IPアドレスがない場合は、No-IPやDynDNSなどのサービスを利用 - ポートフォワーディング設定
ルーターでSMB用ポート(445)のフォワーディングを設定(セキュリティリスク大)
まとめ
MacとWindows間でのファイル共有は、SMBプロトコルを使用することで安全かつ効率的に実現できます。基本的な設定から家庭内サーバーとしての活用まで、段階的に機能を拡張することで、マルチプラットフォーム環境での生産性を大幅に向上させることができます。
重要なポイントは、適切なセキュリティ設定とユーザー権限管理です。便利さとセキュリティのバランスを取りながら、あなたの環境に最適な設定を見つけてください。
🚀 次のステップ
ファイル共有の設定が完了したら、Mac初期設定ガイドで他の便利な機能も併せて設定し、より快適なMac環境を構築しましょう。
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