名古屋の南海トラフ・水害に備える!PC・データ保護の完全ガイド【2025年最新版】

  • 公開日:2026/2/12
  • 最終更新日:
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名古屋の南海トラフ・水害に備える!PC・データ保護の完全ガイド【2025年版】

「名古屋で南海トラフ地震や台風による水害が来たら、パソコンやデータはどうなるんだろう…」と不安に感じていませんか?

2025年3月、南海トラフ地震の被害想定が約13年ぶりに更新され、全国で最大約29万8,000人の死者が想定されています。この数値は、内閣府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ報告書(令和7年3月公表)に基づくものです。特に名古屋市は、港区・中川区を中心に海抜0m地帯が広がり、津波・内水氾濫・地震の3重リスクにさらされています。

💡 災害対策は「火災保険」のようなもの

災害対策は、火災保険に入るのと同じです。火事にならなければ保険金は受け取りませんが、いざという時に備えがないと取り返しがつきません。PCやデータも同じで、「起きてから」では遅いのです。クラウドバックアップや物理的な保護は、日常では使わないかもしれませんが、災害時にあなたの仕事や思い出を守る「保険」になります。

この記事では、名古屋の地域特性を踏まえた、PC本体の物理保護とデータバックアップの両面を、無料でできることから順に解説します。ハザードマップの見方、台風接近時の72時間前からの行動計画、3-2-1ルールに基づくバックアップ構成、被災後の復旧方法まで完全網羅しています。

注:災害対策の方法は様々です。この記事では、個人や小規模事業者が実践しやすい方法に焦点を当てていますが、企業向けの本格的なBCP(事業継続計画)が必要な場合は、専門業者への相談も検討してください。

⚠️ 高リスク地域にお住まいの方へ

港区・中川区・中村区・南区・熱田区にお住まいの方は、特に対策の優先度が高い地域です。まずは次の章で、ご自宅の具体的なリスクをハザードマップで確認してください。


あなたの住所は大丈夫?名古屋市ハザードマップで浸水・地震リスクを確認

災害対策の第一歩は、「自分の住んでいる場所のリスクを知ること」です。名古屋市は地域によってリスクが大きく異なるため、まずはハザードマップで確認しましょう。

名古屋市の災害リスクの特徴(南海トラフ・水害の最新データ)

2025年3月に更新された南海トラフ地震の被害想定(内閣府 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ報告書)では、以下のような被害が予測されています:

  • 最大死者数: 全国で約29万8,000人(うち津波による被害が約7割)
  • 想定震度: 静岡県から宮崎県にかけて一部で震度7、名古屋市内で震度6弱〜6強(地域により差あり)
  • 津波浸水: 港区を中心に沿岸部で浸水リスク(浸水想定エリアは前回想定から約3割拡大)
  • 建物被害: 全国で全壊・焼失が最大約235万棟
  • 発生確率: 30年以内にマグニチュード8〜9クラスの地震が発生する確率は「80%程度」(2025年1月更新)。2025年9月には計算方法の見直しにより「60〜90%程度以上」に改定

発生確率の詳細は、地震調査研究推進本部「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)」で公表されています。

また、名古屋市は海抜0m地帯が広がる地域が多く、台風や豪雨による水害リスクも深刻です。過去には2000年の東海豪雨で、中川区を中心に1,100世帯以上が床上浸水の被害を受けました。

特に注意すべき高リスク地域(港区・中川区・中村区等)

名古屋市内で特にリスクが高いとされる地域は以下の通りです:

港区・中川区

リスク: ほぼ全域が海抜0m地帯。津波浸水・液状化・内水氾濫の3重リスク。

過去の実績: 2000年東海豪雨で中川区は1,100世帯以上が床上浸水。

中村区・南区・熱田区

リスク: 庄内川・矢田川周辺で河川氾濫リスク。低地部分で内水氾濫の可能性。

特徴: 降雨量が多い時期(梅雨・台風シーズン)に特に注意が必要。

これらの地域にお住まいの方は、PC・データの物理的な保護とバックアップの両方を優先的に実施することをおすすめします。

名古屋市16区それぞれの詳しい地域情報については、名古屋市16区の詳しい地域情報はこちらでもご確認いただけます。

名古屋市ハザードマップの見方と活用法

名古屋市は、複数の種類のハザードマップを公開しています。それぞれの違いを理解し、自宅のリスクを正確に把握しましょう。

ハザードマップの種類と確認ポイント

  • 洪水ハザードマップ: 庄内川・矢田川等の河川が氾濫した場合の浸水想定区域を表示
  • 内水ハザードマップ: 下水道の排水能力を超える豪雨時の浸水想定を表示(都市型水害)
  • 津波ハザードマップ: 南海トラフ地震発生時の津波による浸水想定を表示
  • 地震(液状化)マップ: 地震時の液状化リスクを表示

複数のハザードマップを重ねて確認するには、国土地理院の「重ねるハザードマップ」が便利です。このツールでは、洪水・津波・土砂災害など複数のリスク情報を重ねて表示できるため、自宅が「洪水と津波の両方のリスクがある」といった複合的なリスクも一目で確認できます。

確認方法:

  1. 国土地理院「重ねるハザードマップ」にアクセス
  2. 住所検索で自宅を表示
  3. 「洪水」「津波」「土砂災害」等のレイヤーを選択
  4. 自宅周辺の色(浸水深)や警戒区域を確認

浸水深が「1m以上」と表示される地域では、1階にPCを置いている場合は確実に水没します。2階以上への移動や、クラウドバックアップの徹底が必須です。


【災害72時間前~当日】時系列チェックリスト

ハザードマップで確認したリスクを踏まえ、ここでは台風が接近する72時間前から当日までの具体的な行動を時系列で解説します。地震は予測できませんが、台風や豪雨は数日前から予測可能です。この「猶予期間」を活かして、PC・データの両方を守りましょう。

【72時間前】台風進路確定・情報収集開始

気象庁が台風進路を発表し、名古屋への接近が予測される段階です。この時点で、以下の準備を開始します。

72時間前にやるべきこと

  • 気象庁の台風情報を毎日確認(進路・勢力・接近時刻)
  • 名古屋市の防災情報(避難情報・河川水位)をブックマーク
  • クラウドバックアップの最終確認: OneDrive/Google Driveの同期が最新か確認
  • 重要データの棚卸し: 「どうしても失いたくないデータ」をリスト化
  • 外付けHDDがある場合は、最新の手動バックアップを実行

この段階では、まだPCの物理的な移動は不要です。情報収集とデータの最終確認に集中しましょう。

【24時間前】PC物理保護の実施

台風接近が24時間以内に迫った段階で、PCの物理的な保護を開始します。特に浸水リスクが高い地域(港区・中川区等)では、この段階での対応が重要です。

ステップ1: デスクトップPCの高所移動(2階・押入れ上段等)
ステップ2: ノートPC・外付けHDDを防水ケース(ジップロック等)に収納
ステップ3: 周辺機器(モニター・キーボード等)も可能な限り高所へ
ステップ4: コンセント・電源タップの位置を確認(床に置いている場合は高所へ)

デスクトップPCの移動について: 重量があるため、一人での移動が難しい場合は家族に協力を依頼してください。「1階から2階へ」の移動だけでも、浸水深1〜2mの水害なら本体を守れる可能性が高まります。

コンセントの扱い: この段階ではまだ電源を切る必要はありません(停電・浸水発生時の対応は次項で解説)。ただし、電源タップが床に置いてある場合は、棚の上など高い位置に移動させておくと安心です。

【直前~発災中】停電・浸水発生時の対応

停電や浸水が実際に発生した場合の対応です。人命最優先を前提に、可能な範囲でPCを守る行動を取ります。

⚠️ 停電時のPC電源の扱い(重要)

停電が発生したら、必ず「電源を切ってから」コンセントを抜いてください。 通電火災やブレーカー過負荷を防ぐため、復旧時までコンセントは抜いたままにしておくのが安全です。急な停電でシャットダウンできなかった場合も、慌てずに電源ボタン長押しで強制終了してからコンセントを抜きましょう。

避難時の持ち出し優先順位:

  1. 最優先: ノートPC本体または外付けHDD(防水ケース入り)を持ち出し
  2. 次点: スマホ・充電器(災害後の通信手段)
  3. 余裕があれば: 重要書類(保険証券・通帳等)

デスクトップPCは重量があるため、避難時の持ち出しは現実的ではありません。事前に2階等の高所へ移動させておくことが最善の対策です。PCの電源が勝手に落ちた場合の診断方法については、PCの電源が勝手に落ちる原因と対処法も参考になります。

通電火災防止のためのブレーカーOFF: 避難する際は、自宅のブレーカーを落としてから避難してください。停電後の復旧時に一斉通電が起きると、漏電やショートで火災が発生するリスクがあります。


今すぐ無料でできる!データ保護の3ステップ

ここからは、今日から無料で始められるデータ保護の方法を3つのステップで解説します。「災害対策にお金をかけるのは難しい…」という方も、まずはこの3ステップから始めてみてください。

ステップ1:クラウド自動同期の設定(OneDrive/Google Drive)

最も手軽で効果的な対策が、クラウドストレージの自動同期です。一度設定すれば、ファイルを保存するたびに自動でクラウドにバックアップされます。

OneDrive(Microsoft)

無料容量: 5GB

推奨用途: Windowsユーザー、Officeファイル(Word/Excel)中心

特徴: Windows 10/11に標準搭載。設定が簡単。

Google Drive

無料容量: 15GB

推奨用途: Googleアカウント利用者、写真・動画のバックアップ

特徴: 容量が大きい。Googleフォトと連携可能。

設定の手順(概要):

  1. OneDriveまたはGoogle Driveのアプリをインストール(Windowsの場合、OneDriveは標準搭載)
  2. アカウントにサインイン
  3. 同期するフォルダを選択(「ドキュメント」「デスクトップ」等)
  4. 同期開始後、ファイルを保存すると自動でクラウドにバックアップされる

詳しい設定方法は、クラウド同期の詳しい設定方法はこちらで解説しています。

スマホ写真の自動バックアップ: Google フォトやOneDriveのモバイルアプリを使えば、スマホで撮影した家族写真も自動でクラウドに保存されます。「思い出を守る」という意味でも、ぜひ設定しておきましょう。iPhoneユーザーの方は、iPhoneバックアップの完全ガイドもあわせてご覧ください。

ステップ2:重要データの棚卸しと優先順位づけ

クラウドの無料容量(5〜15GB)には限りがあります。「本当に守りたいデータ」を明確にし、優先順位をつけることが重要です。

守るべきデータの例

  • 家族写真・動画: 思い出は取り戻せません。最優先でバックアップ。
  • 仕事のファイル: 請求書、契約書、プロジェクトファイル等。
  • パスワード管理ファイル: 各種サービスのログイン情報(暗号化推奨)。
  • 学業・資格関連: レポート、論文、試験勉強のノート等。
  • 創作物: イラスト、音楽、小説等のオリジナルデータ。

容量の把握方法: エクスプローラーで各フォルダを右クリック→「プロパティ」で容量を確認できます。無料容量を超える場合は、以下の対応を検討してください:

  • 優先度の低いファイル(古いダウンロードファイル等)は除外
  • 動画ファイルは圧縮または別の保存先(外付けHDD)へ
  • 有料プランへのアップグレード(OneDrive 100GBプランは月額数百円程度)

ステップ3:Windowsの復元ポイント作成

クラウドバックアップは「データ」を守りますが、Windowsの復元ポイントは「システム」を守ります。災害後にPCが起動しなくなった場合、復元ポイントがあれば正常な状態に戻せる可能性があります。

復元ポイントの役割:

  • Windowsのシステムファイルや設定を保存
  • トラブル発生時に、以前の状態に戻せる
  • データファイル(写真・文書等)は保護対象外(別途クラウドバックアップが必要)

作成手順の詳細は、復元ポイントの作成手順はこちらで解説しています。

この3ステップを実施するだけでも、「PC本体が壊れてもデータは守られる」という安心感が得られます。お金をかけずに今日から始められるので、ぜひ実践してみてください。


3-2-1ルールで考える:名古屋の災害に強いバックアップ構成

前章では無料でできる対策を紹介しましたが、ここではより確実にデータを守るための国際標準「3-2-1ルール」を解説します。

3-2-1ルールとは?災害対策の国際標準

💡 3-2-1ルールは「卵を複数のカゴに分ける」

3-2-1ルールは、卵を複数のカゴに分けて運ぶのと同じです。一つのカゴを落としても、他のカゴの卵は無事です。データも同じで、「1つの場所だけ」に保存すると、その場所が被災したら全て失われます。3つのコピーを、2種類の媒体で、1つは別の場所に保管することで、どんな災害が来てもデータを守れる確率が高まります。

3-2-1ルールの原則:

  • 3(スリー): データのコピーを3つ作る(オリジナル1つ+バックアップ2つ)
  • 2(ツー): 2種類の異なる媒体に保存(例:PC内蔵SSD+外付けHDD、またはPC+クラウド)
  • 1(ワン): 1つのコピーは物理的に離れた場所(オフサイト)に保管

進化版「3-2-1-1-0ルール」: 近年、ランサムウェア対策として注目されているのが、以下の要素を追加したルールです:

  • +1(プラスワン): 1つのコピーはオフライン(ネットワークから切断)で保管
  • 0(ゼロ): バックアップのエラーをゼロにする(定期的な復元テスト)

ランサムウェア(データを暗号化して身代金を要求するウイルス)は、ネットワークに接続されたすべてのストレージを攻撃します。オフラインの外付けHDDを1つ用意しておけば、ランサムウェアの被害も最小限に抑えられます。ランサムウェアの詳しい対策方法は、ランサムウェア感染時の対応と予防策で解説しています。

名古屋の災害特性に合わせた具体的構成例

名古屋は「地震・津波・水害」の複合リスクがあるため、「自宅が丸ごと被災する」可能性を想定した構成が必要です。

【構成例1】予算を抑えたい方向け

  • オリジナル: PC内蔵SSD/HDD
  • バックアップ1: クラウドストレージ(OneDrive/Google Drive/pCloud等)
  • バックアップ2: 外付けHDD(ポータブル型、防水ケース併用)

この構成なら、自宅が浸水しても「クラウド」にデータが残ります。外付けHDDは、避難時に持ち出せるポータブル型がおすすめです。

【構成例2】より確実に守りたい方向け

  • オリジナル: PC内蔵SSD/HDD
  • バックアップ1: NAS(自宅内のネットワークストレージ)
  • バックアップ2: クラウドストレージ
  • バックアップ3(オフサイト): 外付けHDDを親戚宅・実家等に定期的に保管

この構成は「3-2-1ルール」を完全に満たし、名古屋全域が被災しても、親戚宅のHDDからデータを復旧できる可能性があります。

⚠️ 「自宅内に2つ」では不十分

「PC本体+外付けHDD(自宅保管)」の構成では、自宅が浸水・火災に遭った場合に両方とも失われます。必ず「1つは自宅外」(クラウドまたは物理的に離れた場所)に保管してください。

クラウドvs物理バックアップ:それぞれのメリット・デメリット

「クラウドだけで十分?」「物理HDDは必要?」という疑問にお答えします。

クラウドバックアップ

メリット:

  • オフサイト保管(自宅が被災してもデータは安全)
  • 自動同期(保存忘れがない)
  • 複数デバイスから参照可能

デメリット:

  • 通信障害時にアクセスできない
  • 大容量プランは月額コストがかかる
  • 復元に時間がかかる(数GB以上の場合)

物理バックアップ(HDD/SSD)

メリット:

  • 買い切りでランニングコスト不要
  • 大容量でも低コスト(数TBで1万円台)
  • 復元が高速(USB接続)
  • オフライン保管でランサムウェア対策

デメリット:

  • 自宅保管の場合、被災リスクあり
  • 手動バックアップの場合、保存忘れのリスク
  • 物理的な故障リスク(HDD寿命は約3〜5年)

結論: クラウドと物理の「二段構え」が最強です。クラウドは「自動・オフサイト」という利点を活かし、物理HDDは「高速・大容量・買い切り」という利点を活かす。両方を組み合わせることで、あらゆる災害シナリオに対応できます。


投資すべき?UPS・NAS・外付けHDDの選定基準

ここでは、有料の機材に投資すべきかどうかの判断基準と、選び方のポイントを解説します。全てを揃える必要はありませんが、ご自身の状況に合わせて検討してみてください。

UPS(無停電電源装置)は必要?選び方のポイント

UPS(Uninterruptible Power Supply)とは、停電時にバッテリーで数分〜数十分間PCを動作させ、安全にシャットダウンする時間を確保する装置です。雷サージ(雷による過電圧)からも機器を守ります。

UPSを推奨する方:

  • デスクトップPCを使用している方(ノートPCはバッテリー内蔵のため優先度低)
  • 仕事で重要なデータを扱う方(個人事業主・在宅ワーカー等)
  • 停電が頻繁に発生する地域にお住まいの方
  • 雷が多い地域(名古屋は夏季に雷が多い傾向)

UPSの容量の計算方法:

  1. PC本体の消費電力を確認(電源ユニットの定格ではなく、実際の消費電力。通常100〜200W程度)
  2. モニターの消費電力を確認(通常30〜50W程度)
  3. 合計に1.2〜1.5倍の余裕を持たせる

例:PC150W + モニター40W = 190W → 余裕を見て300W以上のUPSを選ぶ

一般的な家庭用途なら、300〜500W程度の出力容量のUPSが目安です。価格は数千円台から数万円台まで幅広いため、最新の価格はメーカー公式サイトでご確認ください。

ノートPCユーザーへの注意: ノートPCは内蔵バッテリーがあるため、UPSの優先度は低いです。ただし、雷サージ対策としてサージプロテクター付き電源タップ(数百円〜千円台)の使用はおすすめします。

外付けHDD・SSDの選定基準

物理バックアップの定番が、外付けHDD(ハードディスクドライブ)またはSSD(ソリッドステートドライブ)です。

容量の目安:

  • 基本原則: PC内蔵ストレージの1.5〜2倍の容量を推奨
  • 例:PC内蔵が500GBなら、外付けは1TB以上
  • 写真・動画を大量に保存する方は2TB以上も検討

HDD vs SSD:

HDD(ハードディスク)

メリット: 大容量で安い(2TBで数千円台)

デメリット: 物理的な衝撃に弱い、動作音がある

推奨用途: 自宅据え置き、大容量バックアップ

SSD(ソリッドステートドライブ)

メリット: 高速、衝撃に強い、静音

デメリット: HDDより高価(同容量でHDDの2〜3倍)

推奨用途: 持ち出し用、頻繁にアクセスするデータ

ポータブル型の利点: 据え置き型(AC電源が必要)ではなく、ポータブル型(USB給電)を選ぶと、避難時に持ち出しやすいというメリットがあります。名古屋の水害リスクを考えると、ポータブル型+防水ケース(ジップロック等)の併用がおすすめです。

NAS導入のメリットと注意点

NAS(Network Attached Storage)とは、家庭内ネットワークに接続して使うストレージで、複数のPCやスマホから同時にアクセスできます。

NASを推奨する方:

  • 家族で複数台のPCを使用している
  • スマホ・タブレットの写真も一元管理したい
  • 自宅に「プライベートクラウド」を構築したい

RAID構成の考え方: NASは通常、RAID(複数のHDDを組み合わせてデータを保護する技術)を使います。代表的な構成は:

  • RAID 1(ミラーリング): 2台のHDDに同じデータを書き込む。1台が故障してももう1台で復旧可能。
  • RAID 5: 3台以上のHDDを使い、1台が故障してもデータを復元可能。

ただし、RAIDは「災害対策」ではなく「故障対策」です。自宅が浸水すればNAS本体ごと水没するため、NASだけでなくクラウドバックアップも併用してください。

設定難易度: NASの初期設定はやや専門的です(IPアドレス設定、共有フォルダ設定等)。自力での設定が不安な方は、PC専門店に設定代行を依頼する方法もあります。NASの接続方法と詳しい設定手順は、NASを安全にPCと接続する方法で解説しています。

コスト感としては、家庭用NASは数万円台からあります。詳しい価格や製品選定は、メーカー公式サイトや家電量販店でご確認ください。


被災後のリカバリー:水没PC・停電復旧の正しい手順

ここまでは「事前対策」を中心に解説しましたが、この章では「被災してしまった後」の初動対応を解説します。正しい手順を知っているかどうかで、データ復旧の成否が大きく変わります。

停電復旧時の注意点(通電火災・ブレーカーの確認)

停電が復旧した後、いきなり全ての機器の電源を入れるのは危険です。以下の手順を守ってください。

ステップ1: ブレーカーがOFFになっていることを確認
ステップ2: 各コンセント・電源タップを目視確認(焦げ跡・水濡れがないか)
ステップ3: 問題なければ、ブレーカーを段階的にON(主幹→分岐ブレーカーの順)
ステップ4: PCの電源を入れる前に、周辺機器(モニター・プリンタ等)のコンセントを抜く
ステップ5: PC本体のみ電源ON → 正常起動を確認後、周辺機器を順次接続

通電火災とは: 停電復旧時に、漏電やショートで火災が発生する現象です。特に浸水被害があった地域では、電気配線が水に濡れているため、復旧直後の一斉通電でブレーカーが落ちたり、火災が発生したりするリスクがあります。

⚠️ 復旧時にやってはいけないこと

  • ブレーカーを確認せずにいきなりPCの電源を入れる
  • 水濡れしたコンセントをそのまま使う
  • 全ての家電を一度に接続する(ブレーカー過負荷の原因)

サージプロテクターの確認: 雷サージ対策機能付きの電源タップを使っている場合、雷によって保護機能が壊れている可能性があります。電源タップのランプ表示を確認し、「保護機能OFF」を示すランプが点灯している場合は、新しいものに交換してください。

PCが正常に起動しない場合の診断方法は、パソコンが起動しない時の原因と対処法で詳しく解説しています。

水没・浸水したPCの初動対応

PCが水に濡れてしまった場合、「やってはいけないこと」を知っているかどうかが、データ復旧の成否を分けます。

⚠️ 絶対にやってはいけないNG行為

  • 通電させる: 濡れたまま電源を入れるとショートし、完全に壊れます。
  • 乾かす: ドライヤーや天日干しで乾燥させると、水に含まれる不純物(塩分・泥等)が基板に固着し、復旧率が下がります。
  • 清掃する: 素人が分解・清掃すると、かえって状態が悪化します。

正しい保管方法:

  1. 電源を入れず、バッテリーを外す(可能な場合)
  2. 濡れタオルで包む(乾燥を防ぐため。意外ですが、これが正解です)
  3. ジップロック等の密閉袋に入れる
  4. できるだけ早く専門業者に連絡

なぜ「乾かさない」のか? 水没PCは、水そのものよりも「水に含まれる不純物」が問題です。泥水や海水の場合、乾燥させると塩分や泥が基板に固着し、専門業者でも復旧が困難になります。濡れたまま保管し、専門業者が「専用の洗浄液」で洗浄するのが、最も復旧率が高い方法です。

データ復旧の可能性:

  • 真水(水道水・雨水): 初動対応が正しければ、復旧可能性は比較的高い
  • 泥水: 専門業者なら復旧可能性あり(ただし真水より低下)
  • 海水: 復旧可能性は低いが、ゼロではない。早急な対応が鍵

専門業者への依頼タイミング: 水没後、24時間以内に連絡するのが理想です。時間が経つほど、内部で腐食が進み、復旧率が下がります。名古屋市内にも、データ復旧専門業者が複数ありますので、事前に連絡先を調べておくと安心です。

テザリングでPCを使い続ける際の注意点

災害後、自宅のインターネット回線が使えなくなった場合、スマホのテザリング機能でPCをネット接続する方法があります。ただし、通信量やバッテリー消耗に注意が必要です。

テザリング時の通信量の目安:

  • Web閲覧(テキスト中心): 1時間で約100〜300MB
  • Web閲覧(画像が多いサイト): 1時間で約300〜500MB
  • メール送受信: テキストのみなら数MB、添付ファイルありなら数十MB
  • 動画視聴(YouTube等): 画質により1〜5GB/時間(要注意!)
  • Windows Update: 数GB〜十数GB(自動更新をOFFにすること!)

⚠️ Windows Updateの自動実行に注意

PCをテザリング接続すると、Windowsが「Wi-Fi接続」と認識し、自動でWindows Updateが始まることがあります。これが数GBを消費し、スマホの通信制限に達するケースが多発しています。必ず「従量制課金接続」に設定してください。

従量制課金接続の設定方法(Windows 10/11):

  1. 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開く
  2. 接続中のネットワーク(テザリング)をクリック
  3. 「従量制課金接続として設定する」をONにする

この設定により、Windows Updateやアプリの自動更新が停止され、通信量を節約できます。

バッテリー消耗対策: テザリングは、スマホのバッテリーを急速に消耗します。以下の対策を推奨します:

  • スマホをモバイルバッテリーで充電しながら使用
  • 不要なアプリを終了し、バックグラウンド通信を減らす
  • テザリング使用時間を最小限にする(緊急の連絡・作業のみ)

災害後の通信手段として、テザリングは非常に有効ですが、通信制限に達すると速度が極端に遅くなるため、計画的に使用しましょう。


よくある質問(FAQ)

Q1:停電時、PCのコンセントは抜くべき?抜かないべき?

A: 必ず「電源を切ってから」コンセントを抜いてください。通電火災・ブレーカー過負荷を防ぐため、復旧時まで抜いたままが安全です。急な停電でシャットダウンできなかった場合も、慌てずに電源ボタン長押しで強制終了してからコンセントを抜きましょう。

Q2:クラウドバックアップだけで十分ですか?物理HDDも必要?

A: クラウドだけでは通信障害時に復旧できません。3-2-1ルールに従い、クラウド+物理の二段構えが理想です。クラウドは「オフサイト・自動同期」、物理HDDは「高速・大容量・買い切り」という利点があり、両方を組み合わせることで、あらゆる災害シナリオに対応できます。

Q3:水没したPCからデータは取り出せますか?

A: 専門業者なら復旧可能性があります。ただし、絶対に通電・乾燥させず、濡れタオルで包んで早急に業者へ相談してください。初動対応が正しければ、真水の場合は復旧率が比較的高いです。海水の場合は難易度が上がりますが、ゼロではありません。水没後24時間以内の対応が鍵です。

Q4:テザリングでPCを使う時の通信量の目安は?

A: テキスト中心のWeb閲覧で1時間あたり100〜300MB、画像が多いサイトで300〜500MB程度です。動画視聴は画質により1〜5GB/時間と大きく増えます。Windows Updateは数GB消費するため、従量制課金接続を設定しましょう。設定方法は、「設定」→「ネットワークとインターネット」→接続中のネットワークをクリック→「従量制課金接続として設定する」をONです。

Q5:UPSは本当に必要ですか?ノートPCなら不要?

A: ノートPCはバッテリー内蔵のため優先度は低いです。デスクトップPC+重要な仕事データを扱う方には推奨します。UPSは、停電時に安全にシャットダウンする時間を確保し、雷サージからも機器を守ります。ノートPCユーザーでも、雷対策としてサージプロテクター付き電源タップ(数百円〜千円台)の使用はおすすめします。


まとめ:名古屋の災害からPCとデータを守るために

この記事では、名古屋エリアの南海トラフ地震・水害リスクを踏まえた、PC・データ保護の実践方法を解説しました:

  • ハザードマップで自宅リスクを確認: 港区・中川区等の高リスク地域では対策優先度UP。国土地理院「重ねるハザードマップ」で複合リスクも確認可能。

    まずは自分の住んでいる場所のリスクを知ることが、全ての対策の出発点です。

  • 無料でできる「クラウド自動同期」を今すぐ設定: OneDrive(5GB)またはGoogle Drive(15GB)の無料容量を活用。一度設定すれば、ファイルを保存するたびに自動バックアップ。

    お金をかけずに今日から始められる、最も効果的な対策です。

  • 3-2-1ルールの原則:クラウド+物理の二段構え: データのコピーを3つ、2種類の媒体で、1つは自宅外に保管。クラウドだけでは通信障害時に復旧できないため、外付けHDDとの併用が理想。

    「卵を複数のカゴに分ける」ように、データも分散保管することで、どんな災害が来ても守れる確率が高まります。

  • 台風接近時は72時間前からの段階的対応: 72時間前に情報収集・バックアップ確認、24時間前にPC物理保護(高所移動・防水ケース収納)、直前~発災中は停電時の電源OFF・ブレーカーOFF・避難時の持ち出し優先順位を守る。

    地震は予測できませんが、台風は事前準備が可能です。この猶予期間を活かしましょう。

  • 水没PCは「乾かさず」専門業者へ: 絶対に通電・乾燥させず、濡れタオルで包んで24時間以内に業者へ相談。初動対応が復旧率を左右。

    「乾かしてはいけない」という意外な事実を知っているかどうかが、データを取り戻せるかの分かれ目です。

災害対策は「完璧」を目指すと、かえって始められません。まずは「クラウド自動同期」だけでも設定してみてください。それだけでも、PC本体が壊れてもデータは守られるという安心感が得られます。

自力での設定が不安な方、NASの構築サポートが必要な方は、名古屋のPC専門店にご相談ください。バックアップ設定代行サービスも提供しています。出張パソコンサポートのご案内はこちら

「起きてから」では遅い。今日から、できることから始めましょう。名古屋の皆さんが、南海トラフ地震や水害が来ても、大切なデータを守り抜けることを願っています。

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