Windows 11/10でVPN接続する方法と設定ガイド|セキュリティを強化しよう
- 公開日:2025/9/23
- 最終更新日:
- パソコン日記

🔒 リモートワーク時代の必須セキュリティ対策
在宅勤務やカフェでの作業時、VPN接続は最重要のセキュリティ対策です。通信内容の暗号化により、機密情報の漏洩や不正アクセスから身を守ることができます。
VPNとは?なぜリモートワークに必要?
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的な専用回線を構築し、安全な通信を実現する技術です。特にビジネス用途では欠かせないセキュリティ対策となっています。
VPNの基本的な仕組み
VPNは通信データを暗号化し、専用のトンネルを通じてデータを送受信します。これにより、第三者による盗聴や改ざんを防ぐことができます。
💼 ビジネスでVPNが重要な理由
- 機密情報の保護:顧客データや企業秘密を安全に送受信
- 社内システムへの安全なアクセス:外出先から社内ネットワークに接続
- 地理的制限の回避:海外出張時でも日本国内のサービスにアクセス
- 公衆Wi-Fi利用時の保護:カフェや空港のWi-Fiでも安全に通信
- コンプライアンス要件:業界規制や企業ポリシーへの準拠
VPNプロトコルの種類と特徴比較
Windowsでは複数のVPNプロトコルに対応しており、それぞれ異なる特徴があります。用途や環境に応じた適切な選択が重要です。
プロトコル | セキュリティ | 速度 | 設定難易度 | 推奨用途 |
---|---|---|---|---|
PPTP | ⚠️ 低(非推奨) | 🟢 高速 | 🟢 簡単 | レガシーシステム接続のみ |
L2TP/IPsec | 🟡 中〜高 | 🟡 中速 | 🟡 普通 | 一般的なビジネス利用 |
IKEv2/IPsec | 🟢 高 | 🟢 高速 | 🟡 普通 | モバイル環境・頻繁な再接続 |
SSTP | 🟢 高 | 🟡 中速 | 🟢 簡単 | Windows環境中心 |
OpenVPN | 🟢 最高 | 🟡 中速 | 🔴 複雑 | 最高セキュリティ要求時 |
⚠️ PPTPプロトコルについて
PPTPは古いプロトコルで、現在ではセキュリティ上の脆弱性が知られています。重要なデータを扱う場合は、L2TP/IPsecやIKEv2の使用を強く推奨します。
Windows標準機能でVPN接続する手順
WindowsにはVPN接続機能が標準で搭載されており、追加ソフトなしで基本的なVPN接続が可能です。Windows 11と10で若干手順が異なります。
🪟 Windows 11 での設定手順
- 設定アプリを開く
「スタート」→「設定」をクリック、またはWindows + I キーを押します。
- ネットワーク設定に移動
「ネットワークとインターネット」→「VPN」の順にクリックします。
- VPN接続を追加
「VPN接続を追加」ボタンをクリックして設定画面を開きます。
- 接続情報を入力
- VPNプロバイダー:Windows(組み込み)
- 接続名:任意の識別名
- サーバー名またはアドレス:VPNサーバーのIP/FQDN
- VPNの種類:プロトコルを選択
- サインイン情報の種類:認証方法
🪟 Windows 10 での設定手順
- 設定アプリを開く
「スタート」→「設定」(歯車アイコン)をクリックします。
- ネットワーク設定に移動
「ネットワークとインターネット」→「VPN」タブを選択します。
- VPN接続を追加
「VPN接続を追加する」の「+」ボタンをクリックします。
- 設定詳細を入力
Windows 11と同様の情報を入力し、「保存」をクリックします。
詳細な設定項目の説明
🔧 各設定項目の詳細
- VPNプロバイダー:通常は「Windows(組み込み)」を選択
- 接続名:「会社VPN」「営業所VPN」など識別しやすい名前
- サーバー名またはアドレス:IT管理者から提供されるサーバー情報
- VPNの種類:「自動」推奨、特定の指定がある場合はそれに従う
- サインイン情報:ユーザー名とパスワード、または証明書認証
- 事前共有キー:L2TP/IPsec使用時に必要な共通パスワード
VPN接続の実行と確認
接続の実行
設定したVPN接続名をクリックし、「接続」ボタンを押します。初回接続時は認証情報の入力が求められます。
接続状態の確認
接続成功後、VPN接続名の下に「接続済み」と表示されます。また、タスクバーのネットワークアイコンにVPNマークが表示されます。
IPアドレスの確認
コマンドプロンプトで ipconfig または ブラウザで「what is my ip」で検索して確認
主要VPNクライアントソフトの設定方法
より高度な機能や安定性を求める場合、専用のVPNクライアントソフトの利用がおすすめです。主要なサービスの特徴と設定方法を紹介します。
🔵 NordVPN
特徴:価格重視、多機能
- ダブルVPN暗号化
- 6,000以上のサーバー
- 広告ブロック機能
- 同時接続6台まで
- 30日間返金保証
🔴 ExpressVPN
特徴:高性能、高価格
- 独自Lightwayプロトコル
- 94カ国のサーバー
- 最高速度の接続
- 同時接続5台まで
- 24時間サポート
🟢 Surfshark
特徴:無制限接続、コスパ良好
- 同時接続台数無制限
- 3,200以上のサーバー
- CleanWeb機能
- MultiHop接続
- 30日間返金保証
VPNクライアントソフト共通の設定手順
アカウント作成とプラン選択
各VPNサービスの公式サイトでアカウントを作成し、用途に応じたプランを選択します。多くのサービスで長期契約割引があります。
アプリのダウンロードとインストール
Windows用の専用アプリをダウンロードし、管理者権限でインストールします。公式サイト以外からのダウンロードは避けてください。
ログインと初期設定
作成したアカウントでログインし、自動接続やキルスイッチなどの基本設定を行います。
サーバー選択と接続
目的に応じてサーバーを選択し、接続ボタンをクリックします。自動選択機能も利用できます。
✅ VPNクライアントソフトのメリット
- 簡単な操作:ワンクリックで接続・切断
- 自動サーバー選択:最適なサーバーを自動選択
- キルスイッチ機能:VPN切断時にインターネット接続を自動停止
- 広告ブロック:マルウェアや広告を自動ブロック
- 複数デバイス対応:PC、スマホ、タブレットで同時利用
接続がうまくいかない時のトラブルシューティング
VPN接続では様々なトラブルが発生する可能性があります。エラーコード別の対処法を理解して、迅速な解決を図りましょう。
❌ エラー720
症状:リモートコンピューターへの接続を確立できない
原因:ネットワークアダプターの問題
対処法:
- ネットワークアダプターの再インストール
- TCP/IPスタックのリセット
- Windows Updateの適用
❌ エラー807
症状:VPNサーバーとクライアント間のネットワーク接続が中断
原因:ルーターやファイアウォールの設定
対処法:
- ルーターの再起動
- VPN パススルーの有効化
- ポート1723(PPTP)の開放
❌ エラー809
症状:ローカルコンピューターとVPNサーバー間の接続を確立できない
原因:ファイアウォールまたはNATの問題
対処法:
- ポート500、4500(IPsec)の開放
- Windowsファイアウォールの例外設定
- セキュリティソフトの設定確認
❌ エラー812
症状:IPsecポリシーの不一致により接続が拒否
原因:認証方式やポリシーの設定ミス
対処法:
- 事前共有キーの確認
- 認証方式の変更
- VPNプロトコルの変更
一般的なトラブルシューティング手順
基本的な確認項目
- インターネット接続の確認
- VPN設定情報の再確認
- ファイアウォール・セキュリティソフトの設定
- ルーターの設定とファームウェア更新
ネットワーク設定のリセット
管理者権限のコマンドプロンプトで実行: netsh winsock reset netsh int ip reset ipconfig /flushdns 再起動後に再設定を実行代替手段の試行
- 異なるVPNプロトコルでの接続
- 別のVPNサーバーへの接続
- モバイル回線での接続テスト
- VPNクライアントソフトの使用
VPN接続のセキュリティを高めるための設定
🛡️ セキュリティ強化の重要ポイント
🔐 強力な認証
証明書認証や二要素認証を可能な限り使用し、パスワードのみの認証は避ける。
🔄 定期的な更新
VPNクライアントソフトやOS、ルーターファームウェアを常に最新状態に保つ。
📝 接続ログの監視
VPN接続ログを定期的に確認し、不正アクセスがないかチェックする。
🚫 自動接続の適切な設定
信頼できないネットワークでの自動接続を有効にし、常に保護された状態を維持。
企業環境でのVPN運用ベストプラクティス
⚠️ 企業VPN運用時の注意点
- アクセス権限の管理:必要最小限のアクセス権限のみを付与
- 接続時間の制限:業務時間外の自動切断設定
- デバイス認証:会社支給デバイスからのみ接続を許可
- 帯域制限:業務に必要な通信を優先する帯域制御
- 監査ログ:すべてのVPN活動の記録と定期監査
個人利用でのセキュリティ強化
- DNS設定の変更:VPN提供のセキュアDNSサーバーを使用
- WebRTCリーク防止:ブラウザでWebRTCを無効化
- キルスイッチの有効化:VPN切断時の自動インターネット遮断
- 分割トンネリングの設定:必要な通信のみVPN経由で送信
- 定期的な接続テスト:IPアドレスとDNSリークの確認
よくある質問(FAQ)
A. 技術的には可能ですが、いくつかの注意点があります:
- セキュリティポリシー:会社のセキュリティポリシーで個人VPNの使用が制限されている場合があります
- ルーティング競合:同時接続により通信経路が複雑になり、接続不安定になる可能性
- 推奨設定:用途に応じて使い分け、同時利用は避ける
- 分割トンネリング:業務通信は会社VPN、プライベートは個人VPN
A. VPN使用時の速度低下は複数の要因が関係しています:
- 暗号化処理:データの暗号化・復号化による処理負荷
- サーバー距離:VPNサーバーまでの物理的距離と経由数
- サーバー負荷:VPNサーバーの利用者数と処理能力
- 改善方法:最寄りのサーバー選択、プロトコル変更、時間帯の変更
A. いくつかの原因と対処法があります:
- 地域制限:サービス側でVPNからのアクセスを制限している場合
- IPアドレスブロック:VPNサーバーのIPアドレスがブラックリストに登録
- 対処法:別の国のサーバーに接続、分割トンネリング機能の使用
- DNS問題:VPN接続後のDNS解決エラー、DNSサーバーの変更を試す
A. 無料VPNと有料VPNには大きな違いがあります:
- セキュリティレベル:有料VPNの方が暗号化やプライバシー保護が強固
- 速度制限:無料VPNは速度・データ量に制限がある場合が多い
- サーバー数:有料VPNの方が選択できるサーバー数が豊富
- ログポリシー:有料VPNはノーログポリシーを徹底している
- ビジネス利用:機密情報を扱う場合は有料VPNが必須
A. 頻繁な切断問題の解決方法:
- プロトコル変更:IKEv2やOpenVPNなど安定性の高いプロトコルに変更
- 自動再接続:VPNクライアントの自動再接続機能を有効化
- 電源管理:ネットワークアダプターの電源管理設定を無効化
- ファイアウォール:セキュリティソフトのVPN干渉を除外設定
- サーバー変更:負荷の少ない別のVPNサーバーを試す
まとめ:安全なリモートワーク環境の構築
✅ VPN設定成功のポイント
- 適切なプロトコル選択:用途に応じたセキュリティレベルの選択
- 正確な設定情報:IT管理者から提供される接続情報の確認
- ネットワーク環境の最適化:ルーターとファイアウォールの適切な設定
- 定期的な検証:接続状況とセキュリティ状態の継続的な監視
- トラブルシューティング知識:基本的な問題解決スキルの習得
VPN接続は現代のリモートワーク環境において必須のセキュリティ対策です。適切な設定と運用により、安全で効率的なテレワーク環境を構築できます。
🔗 関連記事
セキュリティ強化に関する他の記事も合わせてご確認ください:
⚠️ 最終確認事項
- VPN接続後のIPアドレス変更確認
- DNSリークテストの実行
- 業務システムへの正常アクセス確認
- 切断時の自動保護機能動作確認
- 緊急時の代替接続手段の準備
パソコンやiPhone、スマホの設定に関する
お困りごとは何でもご相談ください。
PCホスピタルのパソコンサポート
料金表
OSアップグレードも格安で設定サポート
パソコン各種設定は初期設定だけでなくOSのアップグレードなども対応しています。
OSアップグレードをしたいけど、うまくいかない方やご自分ではやったことがなくて不安な方はパソコンの専門家にお任せ下さい。
パソコンサポートでよくある依頼
- パソコンの初期設定をしてくれる業者を探している
- インターネット接続の初期設定をしてほしい
- Wi-Fiルーターの初期設定をしてほしい
- 突然ネットに繋がらなくなったので解決してほしい
上記以外にもお困りのトラブルがあればお気軽にサポートをご依頼ください。格安・安心価格にて対応しております!
メールでの ご質問 or ご相談 は24時間受付中!!
ご質問、ご相談はこちらのフォームから24時間受付中です。
※メールでご相談される方は迷惑メール設定をご確認しておいて下さい。当サイトからメールを送信できないことがございます。
参考:PCホスピタルご利用規約

パソコン・iPhone・スマホの初期設定から専門性の高い難しい設定まで「安心」「安全」にPCホスピタルにお任せできます!