Windows 11 KB5070311の不具合を完全解説|白点滅・ログイン画面・Intel Arc対応ガイド
- 公開日:2025/12/9
- 最終更新日:
- パソコン日記
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Windows 11 KB5070311の不具合を完全解説|白点滅・ログイン画面・Intel Arc対応ガイド
2025年12月1日、Windows 11向けに新しいプレビューパッチ「KB5070311」が配信されました。しかし、この更新プログラムを適用した後、多くのユーザーから「画面が一瞬白く点滅する」「ログイン画面がおかしい」「ゲームが動かない」といったトラブルが報告されています。
特にIntel Arc GPUを使用しているユーザーやダークモード利用者から深刻な不具合報告が上がっており、Microsoftも既知の問題として認識している状態です。
この記事では、KB5070311で現在報告されている主な不具合とその原因、そしてあなたが今この更新を入れるべきかどうかの判断基準を詳しく解説します。すでにインストールしてしまった場合の対処法も紹介しているので、参考にしてください。
⚠️ 重要な注意事項
不具合情報や修正版リリース予定は随時変わる可能性があります。最新の状況については、必ずMicrosoft公式サポートやWindowsリリース情報ページで確認してください。
KB5070311とは?配信日と対象バージョンを確認しよう
まず、今回配信されたKB5070311がどのような更新プログラムなのかを確認しておきましょう。
📅 配信日
2025年12月1日(現地時間)
🏷️ 種類
プレビュー更新プログラム(Cリリース)
💻 対象OS
Windows 11 バージョン 25H2 および 24H2
KB5070311は「プレビュー」という名前の通り、来月のセキュリティ更新に含まれる予定の修正や機能を先行して試すための「オプション更新」です。セキュリティに関わる緊急の修正は含まれていないため、通常は手動で「ダウンロードとインストール」ボタンを押さない限り自動で適用されることはありません。
💡 プレビューパッチは「試験的な運転」
プレビューパッチは、自動運転技術の「テスト走行」のようなものです。本当に活躍する前に、できるだけ多くの環境で試して問題を見つけるのが目的です。本格導入前のテストなので、ユーザーボランティアが不具合を見つけるのは珍しくありません。
KB5070311で報告されている4つの主な不具合
現在、Microsoftの既知の問題リストやユーザーフォーラムで報告されている主なトラブルを詳しく解説します。
① ダークモードでの白点滅・白画面
KB5070311はファイルエクスプローラーのダークモード表示を改善するはずでしたが、皮肉なことに新たなバグを生み出してしまいました。
✅ 白点滅が発生する主な場面
- ファイルエクスプローラーを開いたとき
- 新しいタブを作成したとき
- ホーム画面やギャラリーへ移動したとき
- 詳細ペインのオン・オフを切り替えたとき
症状の詳細:ダークモード使用時に上記のアクションを行うと、画面が一瞬真っ白に点滅(フラッシュ)します。目に優しくするためにダークモードを設定しているユーザーにとって、この白い光は非常にまぶしく、長時間の作業ではストレスや眼精疲労につながる深刻な不具合です。
② ログイン画面のパスワードアイコンが表示されない
Windows Hello(顔認証や指紋認証)とパスワードの両方を登録している環境で発生する不具合です。
症状の詳細:ロック画面の「サインインオプション」に、パスワード入力に切り替えるためのアイコンが表示されず、空白になってしまいます。見た目には何もないように見えますが、実はボタン自体は存在しており、機能している状態です。
対処方法:アイコンは見えませんが、ボタン自体は存在します。アイコンがあるはずの空白部分にマウスカーソルを合わせてクリックすれば、パスワード入力欄を表示させることができます。見えない状態で面倒ですが、ログインできなくなるわけではありません。
今後の見通し:Microsoftはこの問題を認識しており、次のアップデートで修正される予定です。
③ Intel Arc GPUでのブルースクリーン・ブラックスクリーン
Intel製のグラフィックボード「Intel Arc」(特にB580など)を使用しているユーザーから、最も深刻な報告が上がっています。
症状の詳細:KB5070311を適用すると、PCがブルースクリーン(青いエラー画面でPCが停止)になったり、画面が真っ暗(ブラックスクリーン)になったりするケースが複数報告されています。さらに以下のトラブルも関連して発生します。
⚠️ Intel Arc関連で報告されている現象
- ゲームが起動しなくなる
- デバイスマネージャーでGPUに警告マークが表示される
- PCの動作が著しく遅くなる
- グラフィック処理が異常になる
対処方法:グラフィックドライバーを古い安定版に戻す(ロールバック)ことで改善する場合がありますが、更新プログラム自体のアンインストールが最も推奨される対処法です。
④ インストールエラー「0x80070306」「0x800f0983」
そもそも更新プログラムが正常にインストールできないケースも多発しています。
症状の詳細:更新のインストール中にエラーコード「0x80070306」または「0x800f0983」が表示され、処理が中断されます。システムファイルの不整合やコンポーネントの破損が疑われます。
特徴:何度も再試行しても成功しないケースが多く、Windows Update の一時的なバグというより、ユーザーのシステム側の問題(ストレージ容量不足、破損したシステムファイルなど)が関係している可能性もあります。
KB5070311をインストールすべき?判断基準を3つのユーザータイプで解説
結論から言うと、多くのユーザーにとって今は「様子見」が賢明です。以下、ユーザータイプ別に判断基準を示します。
一般ユーザーの方
このKB5070311は必須アップデートではありません。セキュリティ修正は含まれていないため、急いでインストールする必要はまったくありません。
判断基準:上記のような表示バグに悩まされたくない場合、またはシステムの安定性を優先したい場合は、インストールを控えることを強く推奨します。2026年1月の正式なセキュリティ更新(Bリリース)まで待つことをお勧めします。
Intel Arc GPUユーザー・ゲーマーの方
インストールは推奨されません。
特にIntel Arc GPUを使用している場合は、システムが不安定になり、最悪の場合PCが起動しなくなるリスクがあります。「最新の機能を試したい」という強い理由がない限り、このアップデートは避けるべきです。
PCに詳しい方・IT担当者
テスト環境で新機能を試したい場合を除き、メインの業務PCへの適用は避けるべきです。ダークモード表示の確認やバグ報告の協力が必要な場合のみ、テスト用の検証機で試してください。
すでにKB5070311をインストールしてしまった場合の対処法
自動更新などでインストールしてしまい、画面の点滅や不具合が出ている場合は、以下の手順で元の状態に戻すことができます。
ステップ1:KB5070311をアンインストールする(最も推奨される対処)
最も確実で効果的な対処法は、このプレビューパッチを削除することです。以下の手順に従ってください。
再起動後、不具合が解消されているはずです。アンインストール中にPCが何度か再起動することがありますが、その間は触らずお待ちください。
ステップ2:Intel Arcドライバーをロールバックする(該当者のみ)
Intel Arcを使用していて、上記のアンインストールだけでは改善しない場合は、グラフィックドライバーを以前の安定版に戻す(ロールバック)ことを検討してください。
🔧 ドライバーロールバックの流れ
- Intelの公式サイトから旧バージョンのドライバーを入手
- デバイスマネージャーから現在のドライバーをアンインストール
- ダウンロードした旧バージョンをインストール
- PCを再起動
ステップ3:それでも改善しない場合の次の手段
システムの復元を試す:不具合が起きる前の復元ポイントが残っている場合、そこまでシステムを巻き戻すことができます。
一時的な回避策:アンインストールが面倒、またはできない場合は、Windows の設定を「ライトモード」に一時的に切り替えることで、白点滅のストレスを回避できます。
Windows のプレビューパッチとの賢い付き合い方
Windowsのプレビューパッチは、最新機能をいち早く試せる一方で、今回のように予期せぬ不具合が含まれている可能性があります。今後のアップデートで同じようなトラブルを避けるための心構えを紹介します。
💡 プレビューパッチは「新しいメニューの試食会」
レストランがメニューに追加する前に、一部の客に試食してもらうことがあります。その試食会には、まだ完璧でないメニューが出てくることもあります。本格導入前の段階なので、問題が見つかることは想定内です。本当に信頼できるメニュー(正式リリース版)まで待つほうが安心です。
📋 プレビューパッチとの付き合い方のポイント
- 「プレビュー」「プレビューの累積更新プログラム」と書かれているものは、基本的に手動でインストールしない
- 毎月第2水曜日(日本時間)に配信される「セキュリティ更新プログラム(Bリリース)」まで待つ
- この時点でプレビュー版の不具合の多くは修正されている
- 新しい機能の検証は、テスト機またはサブ用PCで行う
KB5070311に関するよくある質問
Q:自動更新で勝手に入ってしまった場合は?
A:Windowsの設定によっては、プレビューパッチが自動で適用されることもあります。この場合も、上記のアンインストール手順で削除できます。不具合が出ている場合は、すぐに削除することをお勧めします。
Q:次のセキュリティ更新はいつ?
A:通常、毎月第2水曜日(日本時間では木曜日)にセキュリティ更新(Bリリース)が配信されます。2026年1月の予定です。
Q:このプレビューパッチに含まれる修正は何?
A:元記事の情報によれば、主にファイルエクスプローラーのダークモード表示改善を目的としていました。しかし、その改善自体がバグを生む結果になってしまいました。
まとめ:KB5070311は「今は様子見」が最適な判断
KB5070311は、Windows 11 25H2および24H2に対して2025年12月1日に配信されたプレビューパッチです。今回の記事で説明した通り、複数の深刻な不具合が報告されており、セキュリティ修正も含まれていません。
- 主な不具合:ダークモード時の白点滅、ログイン画面のパスワードアイコン消失、Intel Arc環境でのブルースクリーン、インストールエラー0x80070306
- インストール判断:特に理由がなければインストールしない。2026年1月のセキュリティ更新(Bリリース)まで待つことを推奨
- すでにインストール済みの場合:「設定」>「更新の履歴」からKB5070311をアンインストールすることで、不具合の多くが解消可能
- 今後の対策:プレビューパッチは意図的に手動インストールするか、本当に試したい場合は検証機で試す。メインPCは正式リリース版まで待つ
PCが不安定になると焦ってしまいますが、KB5070311の場合、アンインストールすることで大多数のトラブルが解決します。まずは落ち着いて、上記の手順を試してみてください。
Windowsのアップデートは、セキュリティを守るために必要なものです。しかし、プレビュー版は試験的な段階です。安定性を優先したい場合は、正式リリースまで待つことが賢明です。あなたのPCの使用目的と環境に応じて、最適な判断をしてくださいね。

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