この記事でわかること
- PC初期設定をやり直す3つの方法と使い分け
- データを守りながら安全に復旧する手順
- 各方法のメリット・デメリットとリスク
- やり直し前に必要なバックアップ作業
- 復旧後の設定確認チェックリスト
PC初期設定をやり直す3つの方法
PC初期設定のやり直しには、状況や目的に応じて3つの主要な方法があります。それぞれ異なる影響範囲とリスクを持つため、適切な方法を選択することが重要です。
方法1:システム復元
影響範囲:システム設定のみ
データへの影響:なし
所要時間:30分-1時間程度
適用場面:最近の設定変更が原因で問題が発生した場合
方法2:PC設定のリセット
影響範囲:Windows設定全般
データへの影響:設定とアプリ削除(ファイルは保持可能)
所要時間:1-2時間程度
適用場面:設定全般を初期状態に戻したい場合
方法3:完全初期化
影響範囲:システム全体
データへの影響:全データ削除
所要時間:2-4時間程度
適用場面:根本的な問題解決が必要な場合
方法1:システム復元による復旧
システム復元は、Windows が自動的に作成した復元ポイントを使用して、システム設定を以前の状態に戻す機能です。個人ファイルに影響を与えずに設定変更を取り消すことができるため、最もリスクの少ない方法といえます。
システム復元のメリット
- データ保護:個人ファイル(写真、動画、文書等)は影響を受けない
- 簡単操作:ウィザード形式で操作が簡単
- 低リスク:失敗した場合でも元に戻せる
- 迅速性:一般的には30分-1時間程度で完了
システム復元の実行手順
システムの復元を開く
Windows 11の場合:スタートメニューから「復元ポイントの作成」を検索し、「システムのプロパティ」を開いて「システムの復元」ボタンをクリックします。または、コントロールパネル → 回復 → システムの復元からもアクセス可能です。
Windows 10の場合:コントロールパネル → システムとセキュリティ → システム → システムの保護 → システムの復元
復元ポイントを選択
利用可能な復元ポイントから、問題が発生する前の日付のものを選択します。「影響を受けるプログラムの検出」で、どのアプリケーションやドライバーが削除されるか確認できます。
復元を実行
選択内容を確認し、「完了」をクリックして復元を開始します。処理中はPCの電源を切らないよう注意してください。
システム復元の注意点
- 復元ポイントが無効になっている場合:多くのPCでは既定でシステムの保護が無効になっています。有効化するには、「システムのプロパティ」→「システムの保護」タブ → 対象ドライブを選択 → 「構成」→「システムの保護を有効にする」を選択してください
- 復元ポイント以降にインストールしたソフトウェアやドライバーが削除される場合があります
- 環境により復元に失敗する場合があります
- 復元後は再起動が必要です
システム復元について詳しい手順は、PCのシステム復元ガイドで詳しく解説しています。
方法2:PC設定のリセット
Windows 10/11には「このPCを初期状態に戻す」(リセット)機能があり、個人ファイルを保持しながらWindows設定を初期状態にリセットできます。システム復元では解決できない広範囲な設定問題に有効です。
PC設定リセットの特徴
| 項目 | 保持される | 削除される |
|---|---|---|
| 個人ファイル | 写真、動画、文書、音楽 | – |
| アプリケーション | (OS標準アプリやプリインストールされたアプリは復元される場合あり) | ユーザーがインストールしたアプリ(デスクトップアプリ・Microsoft Store アプリを含む全て) |
| 設定 | – | システム設定、カスタマイズ、各種Windows設定は既定値にリセット |
重要:「個人用ファイルを保持する」を選択した場合でも、ユーザーがインストールしたアプリケーション(Microsoft Store アプリを含む)はすべて削除されます。削除されたアプリの一覧はデスクトップに保存されるため、後で再インストールできます。
PC設定リセットの実行手順
設定画面を開く
Windows 11の場合:「設定」→「システム」→「回復」→「このPCをリセット」の「PCをリセットする」ボタンをクリックします。
Windows 10の場合:「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「このPCを初期状態に戻す」の「開始する」ボタンをクリックします。
リセット方法を選択
「個人用ファイルを保持する」と「すべて削除する」のどちらかを選択します。一般的には「個人用ファイルを保持する」を選択します。
Windows の再インストール方法を選択
「クラウド ダウンロード」または「ローカル再インストール」を選択します。
- クラウド ダウンロード:最新のWindowsをダウンロード(約4GB、インターネット接続必須、データ通信量注意)
- ローカル再インストール:現在のPC内のファイルを使用(インターネット不要だが、システムが破損している場合は使用不可)
追加設定の確認
「設定の変更」から、以下のオプションを確認できます:
- プリインストールされたアプリを復元する
- ファイルとドライブをクリーンアップする(データ完全削除、PC譲渡時に推奨)
リセットを実行
削除されるアプリの一覧を確認し、問題なければ「リセット」をクリックして実行します。処理には1-2時間程度かかる場合があります。
ご注意:リセット後は、削除されたアプリを再インストールする必要があります。デスクトップに保存される「削除されたアプリ.html」で削除されたアプリの一覧を確認できます。事前にインストール済みソフトウェアの一覧とライセンス情報を記録しておくことを強く推奨します。
方法3:完全初期化(リカバリー)
完全初期化は、PCを購入時の状態に完全に戻す方法です。全てのデータが削除されるため、根本的な問題解決が必要な場合や、PCを譲渡する前の処理として実行されます。
完全初期化前の重要な準備
- データバックアップ:必要なファイルは全て外部メディアまたはクラウドストレージに保存(Windows 11標準のWindows BackupやOneDriveの利用を推奨)
- ライセンス情報:ソフトウェアのライセンスキーを記録
- アカウント情報:各種サービスのログイン情報を確認
- デジタルライセンス確認:Microsoftアカウントにライセンスが紐づいているか確認(設定→システム→ライセンス認証)
- ドライバ準備:メーカーサイトから最新ドライバをダウンロード
完全初期化の実行方法
回復環境の起動
Windows 11の場合:「設定」→「システム」→「回復」→「PCの起動をカスタマイズする」の「今すぐ再起動」から回復環境に入ります。
Windows 10の場合:「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「今すぐ再起動」をクリックします。
または、Shift キーを押しながら「再起動」をクリックしてもアクセス可能です。
初期化オプションの選択
「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」→「すべて削除する」を選択します。
Windows の再インストール方法を選択
「クラウド ダウンロード」または「ローカル再インストール」を選択します(方法2と同じ選択肢)。
削除方法の選択
「ファイルの削除のみ行う」または「ファイルを削除してドライブをクリーンアップする」を選択します。
- ファイルの削除のみ:高速(1-2時間)、個人使用継続の場合
- ドライブのクリーンアップ:時間がかかる(2-4時間以上)が、データ復元を困難にする、PC譲渡・廃棄時に推奨
初期化の実行
最終確認画面で「初期状態に戻す」をクリックして実行します。処理には選択した方法により2-4時間以上かかる場合があります。処理中は電源を切らないでください。
ライセンス認証について:デジタルライセンスがMicrosoftアカウントに紐づいている場合、初期化後に同じアカウントでサインインすることで自動的に再認証されます。ハードウェア構成を大きく変更した場合は、手動での再認証が必要になることがあります。
完全初期化の詳細な手順については、PCの初期化(リカバリー)完全ガイドで詳しく解説しています。
どの方法を選ぶべきか:判断フローチャート
以下のフローチャートを参考に、状況に応じて最適な方法を選択してください。
問題の発生時期は?
事前に必要なバックアップ
どの方法を選択する場合でも、万が一に備えて重要なデータのバックアップを取得することを強く推奨します。特に完全初期化を選択する場合は必須の作業です。
推奨バックアップ方法
- Windows Backup(Windows 11標準):「設定」→「アカウント」→「Windows バックアップ」から設定可能。OneDriveと連携してデータを自動バックアップ
- OneDrive:デスクトップ、ドキュメント、ピクチャフォルダの自動同期
- 外部ストレージ:外付けハードディスク、USBメモリへの手動バックアップ
- その他クラウドサービス:Google Drive、Dropboxなど
バックアップすべきデータ
個人ファイル
- ドキュメント(Word、Excel、PDF等)
- 写真・動画ファイル
- 音楽ファイル
- デスクトップ上のファイル
- ダウンロードフォルダのファイル
設定・プロファイル
- ブラウザのブックマーク(エクスポート推奨)
- メールの設定とデータ
- ソフトウェアの設定ファイル
- ライセンス情報とプロダクトキー
- Wi-Fiパスワードなどのネットワーク情報
システム情報
- インストール済みソフトの一覧とバージョン
- ドライバの種類とバージョン
- ネットワーク設定
- プリンタ設定
- 周辺機器の設定
データバックアップの詳細な方法については、古いPCから新しいPCへのデータ移行方法の記事で包括的に解説しています。また、Microsoftの公式バックアップガイドも参考にしてください。
バックアップ先の推奨:外付けハードディスク、USBメモリ、クラウドストレージ(OneDrive、Google Drive等)など、PC本体以外の場所に保存してください。PC内の別ドライブへのバックアップは、完全初期化では保護されない場合があります。
やり直し後の設定項目チェックリスト
初期設定のやり直しが完了した後は、以下の項目を確認して適切に設定されていることを確認してください。
必須確認項目
| 分類 | 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| セキュリティ | Windows セキュリティ(Microsoft Defender Antivirus)有効化 | 設定→プライバシーとセキュリティ→Windows セキュリティ |
| 更新 | Windows Update実行 | 設定→Windows Update→更新プログラムのチェック |
| ネットワーク | インターネット接続確認 | ブラウザでウェブサイトにアクセス |
| ドライバ | デバイスドライバ状態 | デバイスマネージャーで警告マークの確認 |
| ソフトウェア | 必要なアプリの再インストール | 事前に作成したソフトウェア一覧と照合 |
| データ | バックアップデータの復元 | 重要ファイルの存在確認 |
| ライセンス | Windows ライセンス認証 | 設定→システム→ライセンス認証で確認 |
設定完了後の推奨作業
- システムの保護を有効化し、手動で復元ポイントを作成
- Windows Backup または OneDrive での自動バックアップ設定
- Windows セキュリティの設定確認とフルスキャン実行
- パフォーマンステストの実行(タスクマネージャーで動作確認)
- ストレージの空き容量確認と不要ファイルの削除
よくある問題と対処法
初期設定のやり直し作業では、以下のような問題が発生する場合があります。環境により対処法が異なる場合があるため、状況に応じて適切な方法を選択してください。
システム復元が失敗する場合
- 復元ポイントの破損:別の日付の復元ポイントを試す
- セキュリティソフトの干渉:一時的にリアルタイム保護を無効化(Windows セキュリティ→ウイルスと脅威の防止→設定の管理)
- ディスク容量不足:不要ファイルを削除してから再実行(設定→システム→記憶域→一時ファイル)
- 権限の問題:管理者権限でログインして実行
- システムの保護が無効:「システムのプロパティ」→「システムの保護」タブで有効化してから復元ポイント作成
PC設定リセット中にエラーが発生
- 「Windowsの再インストール中に問題が発生しました」エラー:コマンドプロンプト(管理者)から
dism /online /cleanup-image /restorehealth実行後に再試行 - クラウドダウンロードができない:ローカル再インストールを選択するか、インターネット接続を確認
- 途中で停止:セーフモードで起動してから再実行(設定→システム→回復→PCの起動をカスタマイズする)
- ストレージ容量不足:「設定」→「システム」→「記憶域」から不要ファイルを削除
完全初期化後の問題
- ドライバが認識されない:メーカーサイトから最新ドライバをダウンロードしてインストール
- ライセンス認証エラー:Microsoftアカウントでサインインしてデジタルライセンスを確認。それでも解決しない場合は電話認証またはMicrosoftサポートに連絡
- 以前のデータが見つからない:バックアップ場所と復元方法を再確認。OneDriveの場合はブラウザからもアクセス可能
- 一部の機能が動作しない:Windows Updateで最新の更新プログラムを全てインストール
重要:これらの対処法でも解決しない場合は、専門的な知識が必要になる場合があります。無理に作業を続けると状況が悪化する可能性があるため、専門業者への相談を検討してください。
まとめ
PC初期設定のやり直しは、適切な方法を選択すればデータを保護しながら安全に実行できます。システム復元、PC設定リセット、完全初期化の3つの方法は、それぞれ異なる状況に対応しており、問題の範囲や重要度に応じて使い分けることが重要です。
成功のための重要ポイント
- 事前準備:必要なデータのバックアップを必ず取得(Windows Backup、OneDrive、外部ストレージ)
- 方法選択:問題の範囲と影響度を考慮して適切な方法を選択
- 段階的実施:リスクの低い方法から順番に試行(システム復元 → PC設定リセット → 完全初期化)
- 完了確認:やり直し後は必要な設定とデータを確認し、Windows Updateとセキュリティ設定を完了
- 予防措置:今後のトラブルに備えて、システムの保護を有効化し、定期的なバックアップを設定
一般的には、まずシステム復元を試し、それで解決しない場合はPC設定リセット(個人用ファイルを保持)、最終手段として完全初期化という順序で検討することを推奨します。ただし、環境により手順が異なる場合があるため、慎重に進めることが大切です。
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