MacBookの初期診断と修理ガイド|SMC/PRAMリセットやセーフモードの活用法
- 公開日:2025/10/3
- 最終更新日:
- パソコン日記

MacBookの初期診断と修理ガイド|SMC/PRAMリセットやセーフモードの活用法
MacBookのトラブルを自分で診断・解決する方法
MacBookが起動しない、動作が不安定など、様々なトラブルに対する専門的な診断手順と修理判断基準を詳しく解説します。Apple Silicon(M1/M2/M3)とIntelチップ両方に対応した最新の対処法をご紹介します。
MacBookトラブル診断の基本フロー
🔍 診断の進め方
- 症状の確認と分類 - 起動関連、動作関連、表示関連のトラブルを特定
- 外部要因の除外 - 周辺機器の取り外し、電源・充電の確認
- 基本的なリセット操作 - SMC/PRAM/NVRAMリセットの実行
- セーフモードでの動作確認 - システムの基本動作をテスト
- ハードウェア診断 - Apple Diagnosticsによる詳細チェック
- 修理判断 - 自己修復可能性と専門修理の必要性を判断
Apple SiliconとIntelチップの違いと対応方法
🔷 Apple Silicon(M1/M2/M3)搭載Mac
特徴:
- 統合システム管理により従来のSMC/PRAMリセットが不要
- セーフモード起動方法が変更
- 復旧システムへのアクセス方法が簡素化
基本リセット方法:
- システム終了後、電源を入れ直すだけで多くの問題が解決
- 10秒以上のシャットダウン後の再起動
🔶 Intel搭載Mac
特徴:
- SMCとPRAM/NVRAMが独立したシステム
- キーコンビネーションによる各種リセット
- 詳細なトラブルシューティングオプション
基本リセット方法:
- SMCリセット:特定キー組み合わせ
- PRAMリセット:⌘+Option+P+R
SMCリセットの詳細手順と効果
SMC(システム管理コントローラー)とは
SMCは、Macの電源管理、バッテリー管理、温度制御、キーボードバックライト、ファン制御などの低レベルハードウェア機能を管理するシステムです。SMCに問題が発生すると、以下のような症状が現れることがあります:
SMCリセットで改善される可能性のある症状
- バッテリーが認識されない、充電されない
- ファンが異常に回転する、または全く回らない
- 電源ボタンが反応しない
- ディスプレイのバックライトが正常に動作しない
- USB機器が認識されない
- システムの動作が異常に遅い
機種別SMCリセット手順
Apple Silicon搭載Mac(M1/M2/M3)の場合
- Macを完全にシャットダウンします
- 10秒以上待機します
- 電源ボタンを押して起動します
注意: Apple Silicon搭載MacではSMCが統合されており、通常のシャットダウン・再起動でリセット効果が得られます。
MacBook Pro/Air(Intel、バッテリー非取り外し型)の場合
- Macをシャットダウンします
- 左側のShift + Control + Optionキーを7秒間押し続けます
- 3つのキーを押したまま、電源ボタンを追加で7秒間押し続けます
- すべてのキーを離し、少し待ってから電源ボタンを押して起動します
iMac/Mac mini/Mac Pro(Intel)の場合
- Macをシャットダウンし、電源コードを抜きます
- 15秒間待機します
- 電源コードを接続し直します
- 5秒待ってから電源ボタンを押します
PRAM/NVRAMリセットの実行方法
PRAM/NVRAMとは
PRAM(Parameter RAM)とNVRAM(Non-Volatile RAM)は、Macの基本設定情報を保存するメモリです。起動ディスク、音量設定、画面解像度、時間帯などの情報が格納されています。
PRAM/NVRAMリセットで改善される可能性のある症状
- 起動時間が異常に長い
- 音量設定が保存されない
- 起動ディスクが正しく認識されない
- 時刻設定がリセットされる
- 画面解像度が正しく設定されない
- 起動時に疑問符(?)が表示される
PRAM/NVRAMリセット手順
Apple Silicon搭載Mac(M1/M2/M3)の場合
Apple Silicon搭載MacではPRAM/NVRAMリセットの概念が変更されており、システムが自動的に管理します。問題がある場合は以下を試してください:
- システム終了後、10秒以上待機
- 電源ボタンを押して起動
- システム設定で各項目を再設定
Intel搭載Macの場合
- Macをシャットダウンします
- 電源を入れて、すぐに⌘ + Option + P + Rキーを同時に押し続けます
- 20秒間押し続けるか、起動音が2回鳴るまで継続します
- キーを離し、通常通り起動させます
リセット後の再設定について
PRAM/NVRAMリセット後は、音量、画面の明るさ、起動ディスクの選択、時間帯などの設定が初期値に戻ります。必要に応じて再設定を行ってください。
セーフモードによる問題の特定と対処
セーフモードとは
セーフモードは、Macを最小限のシステムリソースで起動し、トラブルの原因を特定するためのモードです。第三者製のソフトウェアや機能拡張を無効化し、システムの基本動作のみで起動します。
セーフモード起動手順
Apple Silicon搭載Mac(M1/M2/M3)の場合
- Macをシャットダウンします
- 電源ボタンを長押しし、「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ちます
- 起動ディスクを選択します
- Shiftキーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックします
Intel搭載Macの場合
- Macをシャットダウンします
- 電源を入れて、すぐにShiftキーを押し続けます
- Appleロゴまたはログイン画面が表示されたら、Shiftキーを離します
- ログイン後、画面右上に「セーフブート」と表示されていることを確認します
セーフモードでの診断ポイント
セーフモードで確認するべき項目
- 起動時間: 通常より遅くても正常に起動するか
- 基本動作: アプリケーションの起動、ファイル操作が可能か
- ディスク状態: ディスクユーティリティでエラーチェック
- ネットワーク: 基本的な接続が可能か
- 症状の再現: 問題の症状が発生するか
復旧システム(リカバリーモード)の活用
復旧システムでできること
macOS復旧システムは、Macに内蔵された診断・修復ツールセットです。システムに重大な問題が発生した場合の最後の手段として使用できます。
復旧システム起動方法
Apple Silicon搭載Mac(M1/M2/M3)の場合
- Macをシャットダウンします
- 電源ボタンを長押しし、「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ちます
- 「オプション」を選択し、「続ける」をクリックします
- ユーザーを選択し、パスワードを入力します
Intel搭載Macの場合
- Macをシャットダウンします
- 電源を入れて、すぐに⌘ + Rキーを押し続けます
- Appleロゴまたは地球儀が表示されるまで継続します
- 復旧システムのメニューが表示されます
復旧システムのメニューと使用方法
- macOSを再インストール: システムファイルの破損時に使用
- Time Machineから復元: バックアップからの完全復元
- ディスクユーティリティ: ディスクの検証・修復
- ターミナル: 上級者向けコマンドライン操作
Apple Diagnosticsによるハードウェア診断
Apple Diagnosticsの実行方法
Apple Diagnosticsは、Macのハードウェアコンポーネントに問題がないかを自動的にテストするツールです。
- Macをシャットダウンし、外部機器をすべて取り外します(電源ケーブル、ディスプレイ、Ethernetケーブルは除く)
- 電源を入れて、すぐにDキーを押し続けます
- 言語選択画面が表示されたら、Dキーを離します
- 診断が自動的に開始されます(約2-5分)
- 結果とエラーコードが表示されます
主要なエラーコードと対処法
エラーコード | 問題箇所 | 症状 | 対処法 |
---|---|---|---|
4SNS系 | 温度センサー | ファンが異常回転、発熱 | クリーニング、ファン交換 |
4MOT系 | ファンモーター | ファンの回転異常 | ファン交換が必要 |
4MEM系 | メモリ | 起動不良、フリーズ | メモリ交換・再挿入 |
4HDD系/4STO系 | ストレージ | 起動しない、データ読込不可 | SSD/HDD交換 |
4BAT系 | バッテリー | 充電不良、電源が入らない | バッテリー交換 |
4MLB系 | マザーボード | 各種機能不良 | 基板修理・交換 |
ターゲットディスクモードによるデータ救出
ターゲットディスクモードとは
ターゲットディスクモード(TDM)は、故障したMacを外付けハードディスクとして別のMacに接続し、データを救出する機能です。Macが正常に起動しない場合でも、内蔵ストレージにアクセス可能な場合があります。
ターゲットディスクモード実行手順
対応機種について
ターゲットディスクモードは主にIntel搭載Macで利用可能です。Apple Silicon搭載Macでは、代替手段として「Mac共有モード」を使用します。
Intel搭載Macの場合
- 故障したMacをシャットダウンします
- Tキーを押しながら電源を入れます
- ThunderboltやFireWireのアイコンが表示されたら、Tキーを離します
- Thunderbolt/FireWire/USBケーブルで正常なMacに接続します
- 接続先のMacで外付けディスクとして認識されます
Apple Silicon搭載Macの場合
Apple Silicon搭載Macでは、代わりに「macOS復旧」から「Mac共有モード」を使用します:
- 復旧システムから起動します
- 「ユーティリティ」メニューから「Mac共有モード」を選択
- 別のMacから移行アシスタントでアクセスします
修理を依頼すべき判断基準
自己診断による修理判断フローチャート
🔧 修理判断の基準
- Apple Diagnosticsでエラーコードが検出される → ハードウェア故障の可能性大
- セーフモードでも問題が再現する → システムレベルの問題
- SMC/PRAMリセットで改善しない → 深刻なシステム障害
- 復旧システムからも起動できない → 緊急修理が必要
- 物理的な損傷が見られる → 専門的な修理が必要
修理を推奨するケース
即座に修理を検討すべき症状
- 液体を浸水させた場合(水没・飲み物をこぼした等)
- 画面に縦線・横線が入る、表示がおかしい
- 異音(クリック音、グラインド音)がする
- 異臭(焦げ臭い、化学的な臭い)がする
- 本体が異常に熱くなる
- バッテリーが膨張している
- キーボードやトラックパッドが物理的に反応しない
修理先比較:Apple Store vs 正規店 vs 専門業者
修理先 | 料金目安 | 修理期間 | 保証 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Apple Store | AppleCare+加入時: • 画面・筐体損傷:12,900円 • その他損傷:37,100円 未加入時: • 液晶交換:45,000〜80,000円 • バッテリー交換:15,000〜25,000円 | 5-7日 (在庫状況による) | 90日間 (部品・作業) | • 純正部品使用 • 公式サポート • 全国統一料金 • データ保護なし |
正規サービスプロバイダ | • Apple Storeと同等 • 店舗により若干の差 • 診断料:3,000〜5,000円 | 3-10日 (修理内容による) | 90日間 (Apple準拠) | • 純正部品使用 • Apple認定技術者 • 地域密着サービス • 相談しやすい |
専門修理業者 | • 液晶修理:20,000〜40,000円 • バッテリー交換:8,000〜15,000円 • 基板修理:25,000〜50,000円 • 水没修理:15,000〜35,000円 | 即日〜3日 (一般的修理) | 1〜6ヶ月 (業者により異なる) | • 互換部品使用 • 料金が安い • 修理が早い • データ保護対応 • Apple保証対象外 |
修理先選択の指針
🏪 Apple Store・正規店を選ぶべきケース
- AppleCare+に加入している
- 購入から1年以内(基本保証期間内)
- 純正品質にこだわりたい
- 将来的な下取り・売却を考えている
- データは別途バックアップ済み
🔧 専門修理業者を選ぶべきケース
- 保証期間が過ぎている
- 修理費用を抑えたい
- 緊急でデータを取り出したい
- 水没など特殊な故障
- 古いモデルで正規修理が困難
故障予防とメンテナンスのポイント
定期的に行うべきメンテナンス
月次メンテナンス項目
- ストレージ容量の確認: 空き容量20%以上を維持
- システム更新: macOSとアプリケーションの更新
- バックアップ確認: Time Machineの動作確認
- 物理クリーニング: キーボード、画面、通気口の清掃
- バッテリー状態確認: システム情報でサイクル数チェック
トラブルを予防する使用習慣
- 適切な温度環境: 動作温度範囲(10-35°C)での使用
- 通気確保: 排熱口を塞がない、柔らかい表面での使用を避ける
- 電源管理: 月1回は完全放電・満充電サイクルを実行
- 定期再起動: 週1回以上のシステム再起動
- 液体厳禁: 飲み物をMacBook近くに置かない
緊急時の応急処置
水没・液体浸入時の対処
液体がかかった場合の緊急対応
- 即座に電源OFF: 電源ボタン長押しで強制終了
- 電源を抜く: ACアダプタを外し、バッテリーを物理的に切断
- 逆さに置く: 液体を排出するため逆さまに配置
- 乾燥剤と密閉: シリカゲルと一緒に密閉容器に48時間以上
- 専門業者へ: 自分で電源を入れず、即座に修理依頼
絶対にやってはいけないこと: ドライヤーでの乾燥、電源を入れての動作確認、分解作業
システムがフリーズした場合
- 強制終了: 電源ボタンを10秒以上長押し
- 周辺機器除去: USB機器等をすべて取り外し
- SMCリセット: 上記手順でSMCをリセット
- セーフモード起動: 問題の切り分けを実行
- ディスク検証: ディスクユーティリティでエラーチェック
🔧 MacBook修理の無料診断・お見積もり
上記の診断手順を試しても問題が解決しない場合、専門的な修理が必要かもしれません。
当店では、MacBookの無料診断を行い、正確な見積もりと修理期間をご提示いたします。
- ✅ 無料診断・見積もり(診断結果の詳細説明付き)
- ✅ データ保護を最優先とした修理対応
- ✅ Apple Store比較で最大50%の修理費用削減
- ✅ 即日〜3日での迅速修理(修理内容により異なります)
- ✅ 修理後6ヶ月保証でアフターサポート充実
※診断結果により修理をお断りする場合もございますが、診断料はいただきません
※状況により異なりますが、データ保護率95%以上の実績があります
まとめ
MacBookのトラブルは、適切な診断手順を踏むことで多くが解決可能です。Apple SiliconとIntelチップでは対処方法が異なるため、お使いの機種に応じた正しい手順で診断を行うことが重要です。
基本的なSMC/PRAMリセットやセーフモード起動で改善しない場合は、ハードウェア故障の可能性が高くなります。Apple Diagnosticsでエラーコードが検出された場合や、物理的な損傷が見られる場合は、データの安全性を考慮して早めに専門業者への相談をお勧めします。
修理か買い替えかの判断は、機種の年数、修理費用、データの重要性を総合的に考慮して決定しましょう。定期的なメンテナンスとバックアップにより、トラブルの予防と被害の最小化を図ることができます。
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