この記事で解決できること
- 新しいパソコンの初期設定が不安な方
- 専門知識がなくても安心して設定したい方
- トラブルなくスムーズにパソコンを使い始めたい方
はじめに|新しいパソコン設定の重要性
新しいパソコンを購入したものの、「設定が複雑そう」「間違えたらどうしよう」と不安に感じていませんか?実は、正しい手順さえ知っていれば、パソコンの初期設定は初心者の方でも30分〜60分程度で完了できます(インターネット回線速度や更新プログラムの量により時間は前後します)。
この記事では、2025年最新のWindows 11を中心に、新しいパソコンの設定方法を初心者向けに分かりやすく解説します。設定を怠ると、セキュリティリスクや動作の不安定化につながる可能性があるため、購入後は必ず初期設定を行いましょう。
設定前の準備|必要なものを確認しよう
事前に準備するもの
- 1インターネット環境:Wi-FiまたはLANケーブル(必須)
- 2Microsoftアカウント:メールアドレスとパスワード(Windows 11 Homeでは必須、Proでも推奨)
- 3電源ケーブル:ノートパソコンの場合は充電器(設定中は電源に接続推奨)
- 4時間的余裕:約30〜90分程度(更新の量により変動)
重要な注意点
- 設定中は電源を切らないよう注意してください。途中で電源が落ちると、システムに問題が生じる可能性があります。
- Windows 11 Home エディションではMicrosoftアカウントが必須です。インターネット接続なしでのセットアップはできません。
- Windows 11 Proでも、最新ビルドではMicrosoftアカウントでのセットアップが標準となっています。
ステップ1|基本的な初期設定手順
1-1. 電源投入と起動確認
まず、パソコンの電源ボタンを押して起動します。ノートパソコンの場合は、充電ケーブルを接続してから電源を入れることをおすすめします。
初回起動時は、Windowsのロゴとともにセットアップ画面が表示されます。この画面が表示されれば、正常に起動している証拠です。
1-2. 国・地域とキーボード設定
最初に表示される「国または地域を選択してください」の画面で、「日本」を選択します。次に、キーボードレイアウトで「Microsoft IME」を選択してください。
追加のキーボードレイアウトについては、特別な理由がない限り「スキップ」を選択して先に進みます。
1-3. インターネット接続設定
パソコンをインターネットに接続することで、最新の更新プログラムやドライバーが自動的にダウンロードされます。Windows 11では、インターネット接続が必須です。
Wi-Fi接続の手順
- 利用可能なネットワーク一覧から自宅のWi-Fiを選択
- パスワード(セキュリティキー)を入力
- 「接続」をクリック
- 接続完了まで数秒待機
ステップ2|アカウント設定と個人設定
2-1. Microsoftアカウントの設定
Microsoftアカウントでのログインにより、OneDriveでのファイル同期、Microsoft Storeでのアプリ購入、デバイス間の設定同期が可能になります。
既存アカウントがある場合はメールアドレスとパスワードを入力し、新規作成する場合は「アカウントを作成」を選択してください。
重要:Windows 11 Homeエディションでは、Microsoftアカウントでのセットアップが必須です。ローカルアカウントのみでのセットアップはできません。Proエディションでも、最新ビルドではMicrosoftアカウントが標準となっています。
2-2. プライバシー設定の調整
Windows 11では、プライバシー設定が重要です。セットアップ中に表示される各項目について、必要に応じて設定を調整しましょう。後から「設定」→「プライバシーとセキュリティ」でも変更できます。
推奨プライバシー設定
- 位置情報:地図アプリなどで必要な場合のみオン
- 診断データ:「必要な診断データのみ」を推奨(オプション診断データはオフ)
- 手書き入力と入力の個人用設定:個人情報保護のためオフを推奨
- エクスペリエンスのカスタマイズ:広告カスタマイズが不要ならオフ
- アクティビティ履歴:Microsoftに送信しない設定を推奨
これらの設定は、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」から各カテゴリ(位置情報、診断とフィードバック、手描き入力と入力の個人用設定など)で後から変更できます。
2-3. PINコードの設定
セキュリティ向上のため、PINコードの設定を行います。4桁以上の数字(英字や記号も使用可能)を設定することで、パスワード入力よりも素早くログインできます。
2-4. OneDriveバックアップの設定(推奨)
セットアップ中または完了後に、OneDriveの「PCフォルダーのバックアップ」を有効にすることを強く推奨します。これにより、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャフォルダが自動的にクラウドにバックアップされ、万が一のトラブルや買い替え時にデータを失うリスクが減ります。
OneDriveバックアップの設定手順
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- 「設定」→「バックアップ」→「バックアップを管理」を選択
- デスクトップ、ドキュメント、ピクチャの各フォルダを選択
- 「バックアップの開始」をクリック
ステップ3|セキュリティ設定の強化
3-1. Windows Updateの実行
初期設定完了後、必ずWindows Updateを実行しましょう。最新のセキュリティパッチが適用され、システムの安全性と安定性が向上します。
Windows Updateの手順
- 「設定」→「Windows Update」をクリック
- 「更新プログラムの確認」を選択
- 利用可能な更新プログラムを自動インストール
- 「最新の更新プログラムを今すぐチェック」で追加の更新を確認
- 必要に応じて再起動を実行
注意:初回のWindows Updateは時間がかかる場合があります(数十分〜1時間以上)。更新中はパソコンの電源を切らないでください。
3-2. Windows セキュリティの確認
Windows 11にはWindows セキュリティ(旧称:Windows Defender)というセキュリティ機能が標準搭載されています。この中のMicrosoft Defender ウイルス対策がリアルタイム保護を提供します。
Windows セキュリティの確認手順
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」を開く
- 「Windows セキュリティを開く」をクリック
- 「ウイルスと脅威の防止」を選択
- 「リアルタイム保護」がオンになっていることを確認
- 「クイックスキャン」を実行して初回スキャンを行う
3-3. ファイアウォール設定の確認
Windowsファイアウォールが有効になっていることを確認します。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」を開く
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」を選択
- すべてのネットワーク(ドメイン、プライベート、パブリック)でファイアウォールがオンになっていることを確認
3-4. デバイス暗号化/BitLockerの確認(重要)
多くの新しいパソコンでは、デバイス暗号化またはBitLockerが既定で有効になっています。これはデータ保護のための重要な機能ですが、回復キーの保存を必ず確認してください。
重要:回復キーを必ず保管してください
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「デバイスの暗号化」を開く
- 暗号化が有効な場合、回復キーの保存先を確認
- Microsoftアカウントに自動保存されているか、こちらで確認
- 念のため、回復キーを印刷またはUSBメモリに保存することを推奨
回復キーを紛失すると、パソコンが起動しなくなった際にデータにアクセスできなくなります。
ステップ4|快適に使うための追加設定
4-1. デスクトップ環境のカスタマイズ
デスクトップアイコンの表示設定を行い、よく使う機能にすぐアクセスできるようにしましょう。
- 「設定」→「個人用設定」→「テーマ」を選択
- 「デスクトップ アイコンの設定」をクリック
- 「コンピューター」「ユーザーのファイル」「ごみ箱」などにチェック
- 「適用」→「OK」をクリック
4-2. 電源とスリープ設定
バッテリー寿命を延ばし、作業効率を向上させるために電源設定を調整します。
推奨電源設定
「設定」→「システム」→「電源」から以下を設定:
- 画面オフ(バッテリー駆動時):5〜10分後
- スリープ(バッテリー駆動時):15分後
- 画面オフ(電源接続時):15〜30分後
- スリープ(電源接続時):30分〜1時間後
4-3. 必須アプリケーションのインストール
パソコンを快適に使うために、以下のアプリケーションのインストールを検討してください:
- ブラウザ:Google Chrome、Mozilla Firefox など(Microsoft Edgeも標準搭載)
- オフィススイート:Microsoft 365、LibreOffice など
- メディアプレーヤー:VLC media player など
- 圧縮・展開ソフト:7-Zip、WinRAR など
- PDF閲覧・編集:Adobe Acrobat Reader、PDF-XChange Editor など
トラブル対処法|よくある問題と解決策
問題1:インターネットに接続できない
対処法
- Wi-Fiルーターの電源を一度切って再起動(コンセントを抜いて30秒待つ)
- パスワード(セキュリティキー)の再入力(大文字・小文字・記号に注意)
- 有線LAN接続を試す
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークのトラブルシューティング」を実行
- Wi-Fiアダプターのドライバーを確認・更新
問題2:設定画面が途中で止まる
設定中に画面が固まった場合は、以下の手順で対処します:
- まず5〜10分待機(更新中の可能性があります)
- Ctrl + Alt + Deleteキーでタスクマネージャーを開き、応答していないプログラムを確認
- それでも反応しない場合は電源ボタン長押し(5〜10秒)で強制終了
- 再起動後、セットアップが自動的に再開されます
問題3:Microsoft アカウントでログインできない
アカウント関連のトラブルでは、以下を確認してください:
- メールアドレスとパスワードの入力ミス(特に大文字・小文字、スペースの有無)
- インターネット接続の状態を再確認
- 2段階認証が有効な場合、認証コードの入力が必要
- パスワードを忘れた場合は「パスワードを忘れた場合」からリセット
注意:Windows 11 Homeでは、セットアップ時にローカルアカウントのみでの設定はできません。Microsoftアカウントが必須です。どうしてもアカウント作成ができない場合は、メーカーサポートにご相談ください。
パフォーマンス最適化|動作を軽快にする設定
スタートアップアプリの管理
パソコン起動時の動作を軽快にするため、不要なスタートアップアプリを無効化しましょう。
- 「設定」→「アプリ」→「スタートアップ」を開く
- 不要なアプリを「オフ」に設定
- 特に、使用頻度の低いソフトウェアやバックグラウンドで動作する必要のないアプリは無効化することをおすすめします
ストレージの最適化とストレージセンサーの有効化
定期的なディスククリーンアップとストレージセンサーにより、システムの動作速度を維持し、自動的に不要ファイルを削除できます。
ストレージセンサーの有効化(推奨)
- 「設定」→「システム」→「記憶域」を選択
- 「ストレージ センサー」をオンに設定
- 「ストレージ センサーを構成する」をクリック
- 自動クリーンアップの実行タイミングを設定(推奨:空き領域が少なくなったとき)
- 「一時ファイルを自動的にクリーンアップする」をオンに設定
手動でのディスククリーンアップ
- 「設定」→「システム」→「記憶域」を選択
- 「一時ファイル」をクリック
- 削除するファイルの種類を選択(一時ファイル、ごみ箱、ダウンロードフォルダなど)
- 「ファイルの削除」を実行
設定完了後のチェックリスト
初期設定が完了したら、以下の項目を確認して正常に動作することを確かめましょう:
- インターネット接続の確認(Webページが正常に表示されるか)
- Windows Updateの完了(「最新の状態です」と表示されるか)
- Windows セキュリティの動作確認(リアルタイム保護がオン)
- ファイアウォールの有効化確認
- デバイス暗号化の回復キー保存確認
- OneDriveバックアップの設定確認
- 音声・映像出力の確認(動画や音楽が正常に再生されるか)
- キーボード・マウスの動作確認
- 必要なアプリケーションのインストール
- ストレージセンサーの有効化
まとめ|安心して新しいパソコンを使い始めよう
この記事では、新しいパソコンの設定方法について、初心者の方でも安心して実行できるよう詳しく解説しました。正しい手順に従って設定することで、セキュリティが確保され、快適にパソコンを使用できます。
パソコンの初期設定は一度覚えてしまえば、次回からはより短時間で完了できるようになります。特に重要なのは以下の3点です:
- Microsoftアカウントでのセットアップ(Windows 11 Homeでは必須)
- Windows UpdateとWindows セキュリティの確認
- OneDriveバックアップと回復キーの保存
不明な点があれば、メーカーのサポートセンターやMicrosoft サポートに相談することも大切です。
設定完了後のおすすめアクション
- 重要なファイルのバックアップ設定(OneDrive、外付けHDDなど)
- 定期的なシステムメンテナンス(月1回のWindows Update確認、ストレージ整理)
- Windows セキュリティの定期スキャン(週1回推奨)
- 新しいソフトウェアの学習と活用
- 回復ドライブの作成(万が一の起動トラブルに備える)
新しいパソコンライフを快適にお過ごしください!この記事が少しでもお役に立てば幸いです。






