Windows 11が重い?KB5072033後の配信の最適化を無効化する方法

「最近、何もしていないのにWindows 11の動作が異常に重い」「タスクマネージャーを見ると、メモリ使用率が常に高い」

もしあなたが2025年12月以降にこのような症状を感じているなら、それはあなたのPCのスペック不足ではなく、Windows Updateの機能である「配信の最適化(Delivery Optimization)」の不具合が原因かもしれません。

特に、更新プログラム「KB5072033」が配信された2025年12月以降、この症状の報告が増えています。この記事では、メモリを食いつぶす「配信の最適化(DoSvc)」の問題を特定し、3分でできる対処法と、無効化による影響について詳しく解説します。

⚠️ 重要な前提

この記事は2025年12月時点の情報に基づいています。Microsoftはこの問題を公式に認知・発表していませんが、複数のユーザー報告やテックメディアで確認されている現象です。Windows Updateの仕様は頻繁に変更されるため、将来のアップデートで挙動が変わる可能性があります。設定変更は自己責任で行い、重要なデータは事前にバックアップしてください。


症状の確認方法(タスクマネージャーでDoSvcをチェック)

まずは、あなたのPCが本当にこの不具合の影響を受けているか確認しましょう。

ステップ1: キーボードの「Ctrl + Shift + Esc」を同時に押し、タスクマネージャーを起動
ステップ2: 「プロセス」タブを開き、「メモリ」の項目をクリックして使用量順に並べ替え
ステップ3: 「サービス ホスト: Network Service」(または svchost.exe)の配下に「配信の最適化」(英語名:Delivery Optimization)があるか確認

通常、このプロセスはバックグラウンドで静かに動作しますが、不具合が発生している場合、メモリを数GB単位で消費し続けていることがあります。

✅ 正常な状態

メモリ使用量: 数十MB程度

判断: 何もしていない時の通常値。気にする必要はありません。

※環境により異なります。公式基準ではなく、ユーザー報告に基づく経験則的な目安です。

⚠️ 注意が必要な状態

メモリ使用量: 200MB〜500MB

判断: アップデート処理中ならあり得ますが、長時間続くなら要注意です。

❌ 異常な状態

メモリ使用量: 500MB〜数GB以上

判断: 明らかな異常(メモリリークの疑い)。PCが重くなり、他のアプリが落ちる原因になります。


原因の解説(配信の最適化の仕組みと今回のバグ)

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?

配信の最適化(DoSvc)とは?

「配信の最適化(Delivery Optimization / DoSvc)」とは、Windows UpdateやMicrosoft Storeアプリの更新データを、インターネット上のサーバーだけでなく、同じネットワーク内の他のPCからも取得・共有する仕組みです(P2P技術)。

💡 配信の最適化は「図書館の本の貸し借り」

配信の最適化は、図書館で人気の本を借りるときに、図書館(Microsoftのサーバー)からだけでなく、友達(同じネットワークの他のPC)から借りることもできる仕組みです。友達がすでに持っていれば、図書館まで行かなくても早く手に入ります。これにより、図書館の混雑(サーバーの負担)も減り、あなたも早く本を読める(ダウンロードが速くなる)という仕組みです。

本来は、ダウンロードを高速化し、回線の負担を減らす役割を持っています。

今回のバグ:メモリリークとは?

しかし、2025年12月の更新(KB5072033)が配信された時期と重なり、この機能に「メモリリーク」と呼ばれるバグの疑いが報告されています。

💡 メモリリークは「水道の蛇口の締め忘れ」

メモリリークは、水道の蛇口を締め忘れて水が流れ続けるようなものです。プログラムが作業に使ったメモリ(水)を、使い終わったら本来は解放する(蛇口を閉める)べきなのに、閉め忘れてしまい、どんどんメモリが溜まっていきます。最終的には、バケツ(PC全体のメモリ)が溢れて、他の作業ができなくなってしまいます。

このバグにより、「配信の最適化」が延々とメモリを確保し続け、結果としてPC全体の動作が極端に遅くなったり、フリーズしたりする症状が発生しているとの報告があります。


対処法(難易度別3段階)

症状が確認できた場合、以下の手順で対処を行ってください。多くのユーザーは「レベル1」だけで改善します。

【レベル1:推奨】設定から無効化する(3分で完了)

最も安全で簡単な方法です。Microsoftの公式サポートページでも、配信の最適化の無効化手順が案内されています。

ステップ1: 「スタートボタン」を右クリックし、「設定」を開く
ステップ2: 左メニューの「Windows Update」をクリックし、「詳細オプション」を選択
ステップ3: 「配信の最適化」をクリック
ステップ4: 「他のPCからダウンロードを許可する」のスイッチを「オフ」にする
ステップ5: PCを再起動し、タスクマネージャーでメモリ使用量が下がっているか確認

💡 追加のヒント

  • あわせて、「ディスククリーンアップ」等で「配信の最適化ファイル」を削除しておくと、ディスク容量も確保できます。
  • 設定変更後は必ず「再起動」してください(シャットダウン→電源オンではなく、メニューからの再起動)。

【レベル2】グループポリシーで無効化(Pro版以上向け)

Proエディション以上を使用しており、設定が勝手に戻るのを防ぎたい場合の強力な方法です。Microsoftの配信の最適化リファレンスに、ダウンロードモードの設定値が詳しく解説されています。

ステップ1: 「Windowsキー + R」を押し、gpedit.mscと入力してOK
ステップ2: 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windows コンポーネント」→「配信の最適化」を開く
ステップ3: 「ダウンロードモード」をダブルクリックし、「有効」にして値を設定

設定値「0」(HTTPのみ)

動作: P2Pを無効化し、Microsoftのクラウドサービス経由でダウンロード

推奨: 通常はこちらを選択

設定値「99」(簡易)

動作: P2Pとクラウドサービスを両方無効化し、HTTP直接ダウンロードのみ使用

推奨: 主にオフライン環境向けの設定です。クラウドサービスも完全に無効化したい場合に選択

【レベル3】サービス自体を停止(上級者向け)

設定変更でもプロセスが止まらない場合の応急処置です。

ステップ1: 「Windowsキー + R」を押し、services.mscと入力してOK
ステップ2: 一覧から「Delivery Optimization」を探してダブルクリック
ステップ3: 「サービスの状態」で「停止」をクリック

⚠️ 注意

スタートアップの種類を「無効」にすることは、Windows Updateに依存するため推奨されませんが、一時的なトラブルシューティングとしては有効です。Microsoftの修正パッチが配布されたら、設定を元に戻すことをお勧めします。


対処のデメリットと注意点

「配信の最適化」を無効にしても、Windows Updateができなくなるわけではありません。しかし、以下のデメリットがあります。

📉 デメリット1: ダウンロード速度の低下

他のPCからデータを貰えなくなるため、すべてのデータをMicrosoftのサーバーから直接ダウンロードすることになります。

影響: 回線が遅い環境では、大型アップデートの完了時間が長くなる可能性があります。

📶 デメリット2: ネットワーク帯域の占有

家族で複数台のPCを使っている場合、それぞれのPCが個別にデータをダウンロードするため、インターネット回線が混雑しやすくなります。

影響: 複数台のPCがある環境では、回線の負荷が増加するリスクがあります。

💡 実際の影響の目安

  • 一般的な光回線(100Mbps〜1Gbps)を使用している単独の家庭用PC: 体感のアップデート速度低下は軽微な場合が多いですが、環境により異なります(公式な数値は公表されていません)。
  • 低速回線(ADSLや混雑したモバイル回線): アップデートに時間がかかる可能性があります。
  • オフィスで数十台のPCがある環境: ネットワーク負荷が大幅に増加するため、IT管理者と相談してください。

⚠️ 重要な注意点

Windows Updateの仕様は頻繁に変更されます。今回の対処法は2025年12月時点の情報に基づくものであり、将来のアップデートで挙動が変わる可能性があります。Microsoftから修正パッチが配布されたら、設定を元に戻すことをお勧めします。


Microsoftの対応状況と今後の見通し

現在、この問題に対するMicrosoftの公式な修正パッチはまだ配布されていません(2025年12月時点)。また、Microsoftはこの問題を公式に認知・発表していませんが、複数のユーザー報告やテックメディアで確認されている現象です。

これまでの経緯(タイムライン)

  • 2025年12月9日(日本時間では10日): Windows Update KB5072033 リリース。AppXSVCの仕様変更が含まれる。
  • 2025年12月18日頃: 海外フォーラム(Reddit等)で、一部のユーザーから「メモリ使用量が20GBを超えた」等の極端なケースが報告され始める。※これは個別の極端な報告であり、一般的ではありません。
  • 2025年12月19日頃: 国内テックメディアでも「配信の最適化によるメモリリーク疑い」として報道開始。
  • 現在: Microsoftからの公式修正パッチは未配布。ユーザーによる「無効化」が主な回避策となっている。

今後の見通し

通常、このようなリソース管理のバグは、翌月の「定例アップデート(Patch Tuesday)」または緊急パッチで修正される傾向があります(過去事例から1〜2ヶ月程度が目安ですが、保証はありません)。それまでは、上記の「無効化」で自衛する必要があります。

修正パッチが配布されたら、設定を「オン」に戻すことで、再び配信の最適化のメリット(ダウンロードの高速化)を享受できます。


【差別化】AppXSVCとの違い・環境差の理由

ここでは、他のサイトにはあまり載っていない詳細な技術情報を整理します。

なぜ人によって影響が違うのか?

「私のPCは大丈夫」という人もいれば「激重になった」という人もいます。この差は以下の環境要因によります。

環境による影響の違い

  • ネットワーク設定の違い: 「インターネット上のデバイス」とも共有する設定になっている場合、外部との通信が増え、メモリ消費が増大しやすい傾向があります。
  • ストレージ速度: HDDを使用している場合、キャッシュの読み書きがボトルネックになり、メモリ上にデータが滞留しやすくなります。
  • AppXSVCの影響: 後述する別のサービスの挙動変化により、バックグラウンド処理が渋滞を起こしているケースがあります。

AppXSVC問題との見分け方

今回のKB5072033では、DoSvcとは別に「AppX Deployment Service (AppXSVC)」というサービスの起動設定が「手動」から「自動」に変更されました(Microsoft公式リリースノートで確認済み)。これもPCが重くなる原因の一つです。

DoSvcの問題

主な症状: メモリを大量消費する

対処法: 本記事の手順で「配信の最適化」を無効化

AppXSVCの問題

主な症状: CPUやディスクを使用し、アプリの起動や更新に関わる

対処法: サービス画面でAppXSVCの起動設定を「手動」に戻す

タスクマネージャーで、メモリを食っているのが「Delivery Optimization」なら本記事の対策を。CPUが高い場合はAppXSVCの影響も疑ってください。両方併発しているケースも多々あります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 自分のPCが本当にこの問題の影響を受けているか確認する方法は?

A. タスクマネージャー(Ctrl+Shift+Esc)を開き、「プロセス」タブでメモリ使用量が高い順に並べてください。「Service Host: Network Service」配下の「配信の最適化(Delivery Optimization)」が数百MB〜数GBのメモリを消費していれば、この問題の影響を受けている可能性があります。

Q2. 配信の最適化を無効化しても大丈夫?デメリットは?

A. 基本的に大丈夫です。セキュリティ更新などは問題なく届きます。デメリットは、Windows Updateのダウンロードに時間がかかる場合があることや、インターネット回線の帯域をより多く使用することです。家庭でPC1台のみ使用している場合は、デメリットはほぼ感じません。

Q3. 設定変更しても改善しない場合はどうする?

A. PCを一度「再起動」してください(シャットダウン→電源オンではなく、メニューからの再起動)。それでも直らない場合は、「サービス」画面からDelivery Optimizationを「停止」するか、前述のAppXSVCの影響も確認してください。また、一時ファイルが溜まっている可能性があるため、「ディスククリーンアップ」で「配信の最適化ファイル」を削除することをお勧めします。

Q4. 配信の最適化とは何で、無効化すると何が変わる?

A. ネット上の他のPCや自宅内のPCと、更新データを「お裾分け」し合う機能です。無効化すると、「お裾分け」がなくなり、すべてのデータをMicrosoftの公式サーバーから直接ダウンロードするようになります。結果として、ダウンロードが少し遅くなる可能性がありますが、PCの動作は軽くなります。

Q5. Microsoftはいつ修正するの?放置してよい?

A. 具体的な修正日は未定です(Microsoftはこの問題を公式に認知していません)。通常、類似の問題は発見から1〜2ヶ月後の月例更新で修正されることが多いですが、保証はありません。放置するとPCが重く作業に支障が出るため、修正が来るまでは「無効化」しておくことを推奨します。修正が確認されたら設定を「オン」に戻せばOKです。


まとめ:Windows 11のメモリ不足・動作重い問題の対処法

この記事では、2025年12月のKB5072033配信時期と重なり報告が増えているWindows 11のメモリ不足・動作重い問題について解説しました:

  • 原因: 「配信の最適化(DoSvc)」のメモリリークの疑い

    KB5072033配信時期以降、「配信の最適化」がメモリを解放せずに確保し続けるバグの疑いが報告されています(Microsoftは公式に認知していません)。

  • 確認方法: タスクマネージャーで「配信の最適化」がメモリを大量消費(500MB以上)していないかチェック

    正常値は数十MB程度が目安です(環境により異なり、公式基準ではなく経験則に基づく目安です)。数百MB〜数GBを消費している場合は異常の可能性があります。

  • 対処法: 設定から「他のPCからダウンロードを許可する」をオフにする(3分で完了)

    レベル1(設定から無効化)→ レベル2(グループポリシー)→ レベル3(サービス停止)の順に試してください。

  • デメリット: アップデートのダウンロードが多少遅くなる可能性があるが、セキュリティ更新は問題なく届く

    家庭で単独のPCを使用している場合、体感速度の低下は軽微なことが多いですが、環境により異なります。

  • 現状: Microsoftからの修正パッチは未配布(2025年12月時点)。修正が来るまでは設定をオフにして様子を見ましょう

    通常、類似の問題は1〜2ヶ月後の月例更新で修正されることが多いですが、保証はありません。

PCが重いとストレスが溜まりますが、この設定一つで改善することがあります。ぜひ一度確認してみてください。

⚠️ 最終確認

価格・保証・キャンペーンなど変動しやすい情報は、必ず公式サイトで最新情報を確認するようにしてください。この記事の情報は2025年12月時点のものです。

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