KB5072033不具合の対処法|BitLocker回復キーとTrend Micro非互換を解決
- 公開日:2025/12/27
- 最終更新日:
- パソコン日記
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KB5072033不具合の対処法|BitLocker回復キーとTrend Micro非互換を解決
「Windows Updateをしたら、パソコンが起動しなくなった…」「BitLocker回復キーって何?」こんな不安を感じていませんか?
2025年12月10日、Windows 11向けにセキュリティ更新プログラム「KB5072033」が配信されました。セキュリティ強化のために重要な更新である一方、SNSやフォーラムでは「インストールできない」「特定ソフトが動かない」といった報告が相次いでいます。
特に、仕事や学校の課題でPCを使っている方にとって、パソコンが突然使えなくなるトラブルは絶対に避けたいですよね。
この記事では、KB5072033の主な不具合内容、「今すぐ更新すべきか、様子見すべきか」の判断基準、そして万が一トラブルが起きた際の現実的な対処法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、自分の環境に合わせて冷静に判断できるようになります。(専門知識は不要です!)
⚠️ 重要な注意事項
この記事の情報は2025年12月時点のものです。不具合の有無・修正状況・パッチ情報は変わる可能性があります。必ず最新のMicrosoft公式サイトや各ソフトメーカー公式情報をご自身でも確認してください。また、セキュリティ更新は本来重要ですが、業務に支障が出る場合は様子見も選択肢です。
KB5072033とはどんな更新か
まずは、今回配信された更新プログラムの基本情報を整理しましょう。
- リリース日:2025年12月10日(日本時間)
- 本来の目的:Windowsの脆弱性(セキュリティの弱点)を修正し、ファイルエクスプローラーの表示不具合などを改善
- 適用対象:Windows 11 バージョン 25H2(ビルド26200.7462)および 24H2(ビルド26100.7462)
今回の更新の詳細については、Microsoft公式のKB5072033リリースノートで確認できます。
今回の更新は、本来であればセキュリティを高め、快適に使えるようにするためのものです。しかし、一部の環境では逆に新たな問題を引き起こしていることが確認されています。
報告が多い主な不具合一覧
現在、ユーザーから報告されている主なトラブルは以下の通りです。
1. BitLocker回復キーの問題(KB5072033で修正済み)
2025年10月の更新プログラム(KB5066835)で、再起動時に突然「BitLocker回復キー」の入力を求められる問題が発生していました。この問題はKB5072033で恒久的に修正されています。ただし、KB5072033を未適用の環境では引き続き注意が必要です。
💡 BitLockerは「金庫の暗号ロック」
BitLocker(ビットロッカー)とは、Windowsに標準搭載されている「ディスク暗号化機能」のことです。金庫に暗号ロックをかけるようなもので、盗難対策として重要です。しかし、この暗号(回復キー)が分からないと金庫が開かない(PCが起動できない)ため、事前に番号(キー)を控えておく必要があります。
念のための備え:万が一に備えて、更新前にBitLocker回復キーを確認しておくことをお勧めします。回復キーはMicrosoft公式の回復キー確認ページ(aka.ms/myrecoverykey)で確認できます。
2. インストールエラー(0x80073712、0x800f0983、0x800f0991)
アップデートを実行しても、「エラー 0x80073712」、「0x800f0983」、「0x800f0991」が表示され、インストールが失敗する現象が確認されています。これはシステムファイルの一部が見つからない、または破損している場合に発生しやすいエラーです。
特に0x800f0991は新規インストール環境やクリーンインストール直後の環境で頻発しています。この場合、「設定」→「システム」→「回復」→「Windows Updateを使用して問題を修正」→「今すぐ再インストール」を試すと改善する可能性があります。
3. 再起動ループ(ブルースクリーン)
特定のセキュリティソフト(後述のTrend Micro製品など)を利用している環境などで、PCが再起動を繰り返したり、青いエラー画面(BSoD:ブルースクリーン・オブ・デス)になったりするケースがあります。
4. ファイルエクスプローラーの白点滅
ダークモード使用時に画面が一瞬白く光る不具合の修正が含まれています。KB5072033で多くのケースが修正されましたが、新規タブ作成(Ctrl+T)時など一部の操作では白点滅が残る可能性があります。
5. WSL VPN接続の問題
KB5072033適用環境で、WSL(Linux用Windowsサブシステム)のミラーモードネットワーク使用時にサードパーティVPN(Cisco Secure Client等)で「No route to host」エラーが発生する既知の問題があります。Microsoft公式で確認済み(Known Issue Rollback対応)です。エンタープライズ環境では影響が大きい可能性があります。
特定ソフトとの深刻な非互換問題
今回のアップデートでは、特定の業務アプリやセキュリティソフトとの相性問題(非互換)が深刻です。該当するソフトを使っている方は特に注意してください。
CADアプリ「ARES」
症状:横書きの文字が縦書きの横向きで表示される
対策:開発元Graebert Japanが修正パッチ(Hotfix)を公開済み。ARES Commander/Standard 2025および2026向けのHotfixはGraebert Japan公式FAQからダウンロードできます。旧バージョンおよびARES Mechanicalについては、2026年1月以降の対応予定です。Windows側の更新を削除せず、アプリ側のパッチを適用することが推奨されています。
Trend Micro製品(ウイルスバスター、Apex One等)
症状:「情報漏えい対策(DLP)機能」有効時に、OS再起動後にブルースクリーン発生、またはリアルタイム検索が無効化
対策:Apex One(On-Premise/SaaS): 修正パッチの配信は2026年1月予定。Worry-Free Business Security Services: 修正時期は未定(TBD)。詳細はTrend Micro公式互換性情報をご確認ください。暫定対応として、メーカー公式ではKB5072033のアンインストールまたは適用延期が案内されています。
⚠️ Trend Microユーザーへの重要な警告
Trend Micro製のセキュリティソフトで「情報漏えい対策(DLP)機能」を使っている場合、KB5072033適用後に重大な不具合が発生する可能性があります。Apex One製品の修正パッチは2026年1月配信予定ですが、Worry-Free Business Security Servicesは修正時期未定です。業務に支障が出る場合は、メーカーの修正完了まで更新を延期することを検討してください。
不具合が出た場合の現実的な対処法
もし不具合に遭遇してしまった場合、焦らず以下のように対処してください。
再起動ループ・ブルースクリーン時の切り分け
PCが正常に起動しない場合は、「セーフモード」での起動を試みてください。
BitLocker回復キーを求められた場合(旧バージョン環境)
KB5072033未適用の環境などで、突然「回復キーを入力してください」という青い画面が出た場合、焦って初期化してはいけません。
BitLocker回復キーの確認手順
- スマホなどで別のデバイスから、ご自身のMicrosoftアカウントにログイン(aka.ms/myrecoverykey)
- 登録されている回復キーを探し、画面に表示されている数字と照合
- 該当する回復キーを入力して起動
⚠️ 回復キーが見つからない場合
回復キーが見つからない場合、最悪のケースではデータ初期化が必要になることもあります。そのため、アップデート前には必ず回復キーの所在を確認しておくことが「転ばぬ先の杖」となります。
アンインストールすべき?
アンインストール推奨のケース
・Trend Micro製品を利用中で不具合が出ている場合
・業務に支障が出るレベルのトラブル(ARESのパッチが適用できない等)がある場合
アンインストール非推奨のケース
・単に「インストールに失敗する(0x80073712等のエラー)」だけで、PC自体は使えている場合
・無理にインストールしようとせず、Microsoft側の修正を待つ(放置する)のが安全策です
今後の見通しとアップデート判断の考え方
Microsoft・各ソフトベンダー側の対応状況
- ARES:Commander/Standard 2025/2026向けのHotfixは公開済み。旧バージョン・Mechanical版は2026年1月以降対応予定
- Trend Micro Apex One:2026年1月対応予定
- Trend Micro Worry-Free Business Security Services:修正時期未定(TBD)
- Microsoft:インストールエラーやその他のバグについては、次月の更新などで修正される可能性があります
更新判断の目安
すぐ更新すべき人
- 特に特殊なソフトを使っていない家庭用ユーザー
- ARESを使っており、修正パッチを適用できる人(2025/2026バージョン)
- すでに不具合が出ていない人(適用済みで問題なければそのままでOK)
- BitLocker回復キー問題を抱えている人(KB5072033で修正済み)
一時的に様子見でもよい人
- Trend Micro製品の「情報漏えい対策機能」を業務で利用している人(特にWorry-Free Business Security Services)
- これから年末年始でPCトラブルに対応する時間がない人
- インストールエラーが出て失敗する人(無理に繰り返さない)
- WSLのミラーモードとVPNを併用している人
自動更新環境での注意
Windows 11 Homeなどは自動で更新されてしまいます。不安な方は「設定」→「Windows Update」→「更新を一時停止(1週間〜最大5週間)」ボタンを押して、年末年始の繁忙期を避けるのも一つの賢い自衛策です。
まとめ:KB5072033不具合の対処法
この記事では、Windows 11セキュリティ更新プログラムKB5072033の不具合と対処法について解説しました:
- KB5072033の主な不具合:インストールエラー(0x80073712、0x800f0983、0x800f0991)、ブルースクリーン、ARES・Trend Micro非互換、WSL VPN問題
特にTrend Micro製品の「情報漏えい対策機能」使用中の方は、修正時期(Apex One: 2026年1月、Worry-Free: 未定)まで更新延期を検討してください。
- BitLocker問題は修正済み:10月の更新で発生していたBitLocker回復キー要求の問題は、KB5072033で恒久的に修正されています
ただし、念のため更新前に回復キーの所在を確認しておくことをお勧めします。回復キーが見つからない場合、データ初期化が必要になる可能性があります。
- 更新判断の目安:特殊ソフトを使っていない一般ユーザーやBitLocker問題を抱えている方は更新推奨、Trend MicroのDLP機能利用者やARESユーザー(パッチ未適用)は様子見推奨
仕事でPCを使う場合は、「明日PCが動くこと(安定性)」を最優先に判断してください。
KB5072033はセキュリティ対策として重要ですが、特定の環境下では業務に支障が出るレベルのリスクも抱えています。
PCは道具ですから、トラブルで使えなくなっては本末転倒です。ご自身の環境に合わせて、冷静に「更新するか、待つか」を判断してください。
次のステップ:更新を延期する場合は、Microsoft公式サイトで次回の修正情報をチェックしましょう。ARESユーザーの方は、Graebert Japan公式サイトでHotfixを入手してください。Trend Microユーザーの方は、公式互換性情報ページで最新の修正状況を確認してください。
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