競技性の高いFPSゲームで勝利するために、ゲーム内グラフィック設定の優先順位を理解し、フレームレート(FPS)向上と低遅延を実現する具体的な調整方法を解説します。どの設定を優先的にオフにすべきか、どの設定は維持すべきかを、負荷影響度別に詳しくご紹介します。
ゲーム内グラフィック設定の優先順位とは?
競技性の高いFPSゲーム(VALORANT、Apex Legends、CS2など)において、ゲーム内グラフィック設定の優先順位を正しく理解することは、勝敗を左右する重要な要素です。美しいグラフィックよりも、高いフレームレート(FPS)と低遅延を優先することが、エイム精度と反応速度の向上に直結します。
一般的には、「画質やエフェクトを犠牲にしてでも、フレームレートの安定と低遅延を最大化する」ことが鉄則とされています。本記事では、パフォーマンスへの影響度(負荷)に基づき、優先的にオフまたは最低にすべき設定項目を詳しく解説します。
グラフィック設定の最適値は、お使いのPCスペック、モニターのリフレッシュレート、プレイするゲームタイトルにより異なります。環境により手順が異なる場合がありますので、本記事の情報を参考に、ご自身の環境に応じて調整してください。
グラフィック設定の3つの優先度レベル
ゲーム内グラフィック設定の優先順位は、パフォーマンスへの影響度によって、大きく3つのレベルに分類できます。この分類を理解することで、効率的に設定を最適化できます。
優先度【高】
真っ先に無効化すべき設定
GPU/CPUに最も重い負荷をかけ、FPSを大幅に低下させる設定です。競技ゲームでは即座にオフまたは最低に設定することが推奨されます。
優先度【中】
バランスを取るべき設定
FPSへの影響は中程度ですが、トレードオフの要素やゲームプレイへの影響を考慮して調整する必要があります。
優先度【低】
視認性や応答性向上のための設定
FPSへの影響は小さいか、逆にFPSを向上させるためにオンにすべき設定です。
優先度【高】:真っ先に無効化すべき設定
これらの設定は、視覚的なリアリティを高める反面、GPUやCPUに最も重い負荷をかけます。競技性を重視する場合、「オフ」または「最低」に設定することが強く推奨されます。
1. アンビエントオクルージョン(Ambient Occlusion Quality)
項目 | 詳細 |
---|---|
負荷影響 | 非常に高い |
推奨設定 | 無効(オフ) |
効果 | オブジェクトが隣接した際にできる陰影を調整する機能 |
理由 | 各設定の中で最も負荷が高い項目の一つで、FPSが著しく低下します。無効化が推奨されます。 |
多くの場合、この設定を無効化するだけで、10〜20FPS程度の向上が期待できます。環境により効果は異なります。
2. レイトレーシング(Ray Tracing)
項目 | 詳細 |
---|---|
負荷影響 | 非常に高い |
推奨設定 | オフ |
効果 | 光の反射や影をリアルに描画する最新技術 |
理由 | GPU負荷が極めて高いため、FPS最大化を目指す場合は即座にオフにすべきです。 |
レイトレーシングは最新の高性能GPUでも大きな負荷となります。競技プレイでは、美しい光の表現よりもフレームレートの安定が優先されます。
3. 影の品質(Shadow Quality)
項目 | 詳細 |
---|---|
負荷影響 | 高い |
推奨設定 | 低 または オフ |
効果 | 影の鮮明度や詳細度を調整 |
理由 | GPU負荷が高く、FPSを大幅に下げる原因となります。影が鮮明すぎると敵の視認性が悪くなる可能性もあるため、「低」設定が推奨されます。 |
4. 垂直同期(V-Sync)
項目 | 詳細 |
---|---|
負荷影響 | 中(入力遅延増大) |
推奨設定 | オフ |
効果 | 画面のティアリング(映像の乱れ)を防ぐ |
理由 | 入力遅延が大幅に増えるという致命的なデメリットがあります。G-SyncやFreeSyncなどの可変リフレッシュレート技術を使用している場合は、V-Syncはオフが基本です。 |
V-Syncは画面の乱れを防ぐ反面、入力遅延が増大します。競技性の高いFPSでは、画面の乱れよりも応答速度が優先されるため、オフにすることが一般的です。
優先度【中】:バランスを取るべき設定
これらの設定はFPSにも影響しますが、トレードオフの要素やゲームプレイへの影響を考慮して調整します。
5. アンチエイリアス(Anti-Aliasing)
項目 | 詳細 |
---|---|
負荷影響 | 中 |
推奨設定 | なし または MSAA 2x |
効果 | オブジェクトの輪郭のギザギザ(ジャギー)を滑らかにする |
理由 | 負荷が高いため、FPSを優先する場合は「なし」(オフ)が推奨されます。ジャギーが気になる場合はMSAA 2x程度に留めることが一般的です。 |
FXAAは「画面のぼやけ」や「モーションブラー」の原因となるため、避けるべきとされています。MSAAはFXAAより負荷が高いですが、画質は良好です。環境により最適な設定は異なります。
6. 描画距離/ディテール品質(Draw Distance / Detail)
項目 | 詳細 |
---|---|
負荷影響 | 中〜高 |
推奨設定 | 低 |
効果 | フィールド上の装飾(草木、岩、がれき、壁の汚れなど)の表示を調整 |
理由 | 負荷はありますが、マップの装飾が増えることで画面がごちゃつき、敵の視認性が低下する可能性があります。「低」が推奨されます。 |
スナイパー系など遠距離の視認性が特に重要な場合は、高設定が必要になることもあります。お使いの環境に応じて調整してください。
7. ポストプロセス(Post Processing)
項目 | 詳細 |
---|---|
負荷影響 | 中 |
推奨設定 | オフ |
効果 | 光のにじみやブルームなどの画面効果を追加 |
理由 | FPSではオフで問題ありません。視認性の向上にもつながります。 |
優先度【低】:視認性や応答性向上のための設定
これらの設定はFPSへの影響は小さいか、またはFPSを向上させるためにオンにすべき設定です。
8. モーションブラー(Motion Blur)
項目 | 詳細 |
---|---|
推奨設定 | オフ |
効果 | 動きに合わせて映像がブレる演出 |
理由 | 画面酔いの原因や残像感を生むため、FPSでは無効化が強く推奨されます。 |
モーションブラーをオフにすることで、視認性が向上し、敵の動きを正確に追いやすくなります。
9. マルチスレッドレンダリング
項目 | 詳細 |
---|---|
推奨設定 | オン |
効果 | マルチコアCPUの複数スレッドを活用し、レンダリングを並行処理 |
理由 | ゲームのパフォーマンスを大幅に向上させ、FPSの安定化を図ります。Riot Gamesも推奨する設定です。 |
10. 明瞭度を上げる / デジタルバイブランス
項目 | 詳細 |
---|---|
推奨設定 | ゲーム内:オフ / NVIDIA側:オン |
効果 | 映像の中間調のコントラストを強調し、敵の視認性を向上 |
理由 | ゲーム内設定で「明瞭度を上げる」をオンにするとFPSが大幅に低下するゲームもあるため、PCに余裕がない場合はNVIDIAコントロールパネル側でデジタルバイブランスを上げることで代用するのが一般的です。 |
NVIDIAコントロールパネルの「デスクトップカラー設定の調整」から、デジタルバイブランスを75%〜100%に設定することで、ゲーム内設定に頼らず視認性を向上できます。詳しくはパソコン設定でゲームFPSを劇的改善をご覧ください。
11. テクスチャ品質(Texture Quality)
項目 | 詳細 |
---|---|
推奨設定 | VRAM容量に合わせる |
効果 | テクスチャの解像度と鮮明度を調整 |
理由 | 主にGPUのVRAM容量に依存し、VRAMの範囲内であればフレームレートにほとんど影響しません。VRAMに余裕があれば「中〜高」に設定しても構いません。 |
12. FPSの上限設定(Max Frame Rate)
項目 | 詳細 |
---|---|
推奨設定 | モニターのHzよりわずかに下 |
効果 | フレームレートを意図的に制限 |
理由 | フレームペーシングの不均一さ(カクつき/スタッター)を防ぎ、体感的なスムーズさを改善できる場合があります。 |
グラフィック設定最適化の手順
効率的にグラフィック設定を最適化するための手順をご紹介します。
ゲーム内のFPS表示機能や、MSI Afterburner、GeForce Experienceなどのツールを使用して、現在のFPS値を確認します。
アンビエントオクルージョン、レイトレーシング、影の品質、垂直同期を「オフ」または「最低」に設定します。
設定変更後、実際にゲームをプレイしてFPSの変化を確認します。目標FPS(例:144FPS以上)に達したか確認してください。
目標FPSに達していない場合は、アンチエイリアス、描画距離、ポストプロセスを「低」または「オフ」に調整します。
モーションブラーは「オフ」、マルチスレッドレンダリングは「オン」に設定されているか確認します。
実際の対戦で動作を確認し、FPSの安定性と視認性をチェックします。必要に応じて微調整を行います。
環境別の推奨設定例
お使いのPCスペックに応じた推奨設定例をご紹介します。環境により最適な設定は異なりますので、参考情報としてご活用ください。
PCスペック | 推奨設定 | 期待できるFPS(目安) |
---|---|---|
ハイエンド (RTX 4080以上) | 優先度【高】:低/オフ 優先度【中】:中 テクスチャ:高 | 240FPS以上を狙える場合があります |
ミドルレンジ (RTX 3060〜4070) | 優先度【高】:低/オフ 優先度【中】:低 テクスチャ:中 | 144〜200FPS程度が期待できます |
エントリー (GTX 1660以下) | 優先度【高】:オフ 優先度【中】:オフ/低 テクスチャ:低 | 60〜100FPS程度が目標となります |
上記の数値は一般的な目安です。実際のFPSは、プレイするゲームタイトル、解像度、CPU性能、メモリ容量などにより大きく異なります。環境により手順が異なる場合があります。
よくある質問(FAQ)
全ての設定を最低にしてもFPSが上がらない場合は?
グラフィック設定の最適化だけでは限界がある場合、ハードウェアのアップグレード(GPU交換、メモリ増設、CPU交換)を検討する必要があります。また、Windows側の設定最適化も効果的です。パソコンが遅い時の設定高速化ガイドやPCのメモリ増設ガイドも参考にしてください。
設定を変更したらゲームが起動しなくなった
ゲームの設定ファイルが破損した可能性があります。多くのゲームでは、設定を初期化するオプションやコマンドライン引数が用意されています。Steam版の場合は「整合性の確認」を試してみてください。
視認性を上げる設定は何ですか?
一般的には、以下の設定が視認性向上に役立つとされています:①影の品質を「低」にする、②明瞭度を上げる(ただしFPS低下に注意)、③NVIDIAコントロールパネルでデジタルバイブランスを75〜100%に設定する、④モーションブラーをオフにする。環境により効果は異なります。
プロゲーマーはどんな設定を使っていますか?
多くのプロゲーマーは、画質を最低限まで落とし、FPSを最大化する設定を採用しています。具体的には、ほぼ全ての設定を「低」または「オフ」にし、マルチスレッドレンダリングのみ「オン」にするというシンプルな設定が一般的です。
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